ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

〜検札官と改札機〜ドイツの鉄道とかだいすきクラブ

〜検札官と改札機〜ドイツの鉄道とかだいすきクラブ

どうも。メンバーがまた一人増えたので、このクラブを上智大学の正規サークルにしようと企む、落ちていた卵拾おうとして鳩に猫パンチならぬ鳩パンチされた会長のBonn留学中の石川です。あの時はびっくりさせてごめんなさい

コラム記事のようなものばかり書いているなと思うこの頃、また書いてみます。

日本から来た方がドイツの駅に来て一番びっくりされるのが、落書きと泥だらけの電車改札機がないことだと思います。



どんなに大きい街でも改札機がないのは当たり前。みんな何のコントロールもなくホームに行って乗っています。



dav

そうなると、ちゃっかりお金を払わずにタダ乗りしちゃおうという悪い輩が現れるはず。ちなみにそういう人のことをドイツ語で"Schwarzfahrer"(黒い+乗車者)と言います。シュヴァルツファーラー...ちょっとかっこいい。「無賃乗車する」という動詞は、"schwarzfahren"です。

ドイツでは改札が無いから、切符をチェックするのは、車内検札官です。乗っていると来るので、そしたら乗車券を見せます。ちなみにさっき言ったようにschwarzfahrenすると、ドイツだと最低でも60ユーロの罰金なんで、運賃は必ず払いましょう。(by RE5の車掌さん)

この時も後ろの気配に気づかず、慌てて切符を取り出しました。

この時も後ろの気配に気づかず、慌てて切符を取り出しました。



ここまでが普通の話なんですが、ここからが私の体験談です。どうもこの検札の頻度って地方で変わるみたいで、私が住んでいるノルトライン=ヴェストファーレン州やニーダーザクセン州はあまり検札が来ません。遅延しているとかあんまりにも混んでいると(通路にも人が埋まっている状態)、もっと来なくなります。

逆に前まで住んでいたザールラント州とラインラント=プファルツ州なんかは、ほぼ毎回来ます。毎回です。3回の乗り換えで毎回あって切符が穴だらけになったりもします。そこら辺は乗客も少ないので(2両編成の電車が1時間に1本など...)、検札がすぐに終わっちゃうからなのか、はたまたローカルすぎてSchwarzfahrerを一回一回取り締まらないと経営が厳しいのかと色々深読みしちゃいますね。



検札がない分ノルトライン=ヴェストファーレン州のSchwarzfahrerは多くて、乗っていた車両で3人捕まったこともあります汗。もちろんICEや ICといった特別列車は乗り換えの確認も兼ねて必ず来ます。

ただ問題は切符の範囲が分かりにくいのと、検札官でもちょっと知識が曖昧な人がいることですね...例えばこの間はラインラント=プファルツ州乗り放題切符は一応ボンまで使えるのに、思いっきり勘違いされてSchwarzfahrerになりかけました汗。なぜか私がDBのホームページを開いて説明する羽目に...さすがに「俺が検札官をやったほうが早いんじゃねえか(^~^#)」と、くどくど思いました。でもDBはいろいろな特別切符を出すんで、現場も大変だなと思います。

ドイツにいらっしゃる方にschwarzfahrenと間違えられないように私からできる個人的なアドバイスは...

1: 切符を発行するときに、一緒にReiseplan(乗り換え予定表)を発行する(ICEは便が指定されていることが多いから、間違えた電車に乗らないように)

2: 乗り継ぎは時間をあける(よく遅れますし、シュトゥットガルトみたいに大きい駅は移動に時間がかかる場合もあります。私は大体20分ぐらい空けています)

3: 万が一遅延で乗り継ぎに間に合わなかったら、必ず駅員さんに切符と乗り換えを確認する(大体の場合、その次の列車に乗れます)

4: 地域交通の切符を買ったら、打刻を忘れない(有効期間乗車90分以内のパターンが多いので、乗車時間が記録されて初めて使えます)

5: 街中の移動には1日乗車券を使う(ドイツは片道の運賃が高いので、一回だけ買わないよりは絶対良いと思います。打刻もしましょう。)

6: 切符の範囲とその境界の駅をあらかじめ確認する(これ以上は行かないと対策できます。大体の駅にそういう表があります)

7: 現金、カードも持っておく(券売機が壊れてたりして、どっちかが使えないこともあります汗。あと、地域交通の切符は基本どの券売機でも買えます)



こんな感じですね...今日乗車のシステムについて書こうと思ったのは、先日スウェーデンとオランダに行く機会があって、そこの鉄道システムはドイツとすごい違ったからです。それがタイトルにもある通り、改札機です。

ストックホルムのT-Centralen(地下鉄中央駅)の改札

ストックホルムのT-Centralen(地下鉄中央駅)の改札



スウェーデン、ストックホルム周辺は"SJ Card"、 "SL ACCESS"という東日本のSuica、西日本のICOCAのような電子マネーが主流で、ストックホルム全駅に改札機が、その他の駅には日本でも地方の駅にあるカードリーダーが置いてあります。検札もピッとするだけです。さすが電子決済の国ですね。



オランダはもっとすごくて、全国の駅に改札があります。オランダも"OV-chipkaart"と呼ばれる電子マネーが主流です。紙の切符も売っていますが、QRコードを改札に読ませるというちょっと変わった方式です。

ユトレヒト中央駅の改札

ユトレヒト中央駅の改札



 

この間行ったオランダのユトレヒト中央駅やストックホルムの駅は、空港みたいに綺麗で、やっぱり、改札で関係ない人を入れないようにする仕組みの効果はあるのかなと思います。あとやっぱりどこから乗って、どこまでちゃんと行くのか情報がちゃんと残るから、係員の人も仕事がしやすそうでした。



 



でも改札があるとホームまで見送りに行けなかったり(入場券が無い)、何より駅ナカのお店が自由に使えないのがちょっと気になったりして、どっちにもそれぞれ良さがあると思います。またまた答えが出ませんでしたが、オランダは日曜日もスーパーが開いていてびっくりしました。

ヨーロッパの多様性も見つつ、また色々書いてきます。ではでは

4. Juli 石川輝

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム