最古の和訳聖書
日本で唯一の聖書専門図書館が閉館するというので見学に行ってきたニャ♪=^_^=
東京は銀座のど真ん中にある、その名も「聖書図書館」。
ひとくちに「聖書」と言ってもいろいろな宗教で「聖書」は存在し、一般的にいろいろな分野で価値の高い書物には「バイブル」という言葉がよく使われてますニャ=^_^=
聖書図書館にはキリスト教の「聖書」が所蔵。
聖書や関連文献は何と530言語、5100冊超!
その中には活版印刷を発明したドイツのヨハネス・グーテンベルク(Johannes Gensfleisch zur Laden zum Gutenberg 1398? - 1468)の世界初の活版印刷「グーテンベルク聖書」の複製や、ドイツ人宣教師カール・ギュツラフ(Karl Friedrich August Gützlaff 1803 - 51)が翻訳した現存する最古の日本語聖書『約翰福音之傳(ヨハネによる福音書)』も!
この日本語聖書は東洋伝道に関心を持っていたギュツラフが滞在したマカオで、漂流し救出された尾張の3人の船員ー 岩吉・久吉・音吉 ーから日本語を学んで翻訳したので日本語に尾張の方言が。
翻訳は1835年12月に始まり翌年11月に完成し1837年に出版。
「ハジマリニ(始まりに) カシコイモノゴザル(賢い者ござる)。・・・」
ギュツラフは1832年から33年にかけて鎖国中の日本に入国を試みたけど実現できず、あの1837年に起きた「モリソン号事件」では再度入国を試みモリソン号に乗船していたんだ。
1961年の日独修好100年の年に、聖書の和訳作業に協力したこの3人の船員の記念碑「岩吉・久吉・音吉(乙吉)の記念碑」が愛知県知多郡美浜町に設立され、除幕式にウィルヘルム・ハース大使(ハース大使は親子で駐日ドイツ大使を務めたのでこちらはお父さんのハース大使)が出席。
その功績を後世に伝えているんだ。
今年はマルティン・ルター(Martin Luther 1483 - 1546)が宗教改革をしてから500周年の記念の年。
宗教改革はルターが当時ドイツで盛んに売られていたカトリック教会の贖宥状(しょくゆうじょう、罪の償いを軽減する証明書)に異を唱えたのがきっかけ。
その結果、ローマ教会、はたまた時の神聖ローマ帝国皇帝カール5世(Karl V. 1500 - 1558)を敵にまわしたルターは、反皇帝派の有力諸侯のザクセン選帝侯フリードリヒ(Friedrich III. 1463 - 1525)にかくまわれ、ヴァルトブルク城で聖書のドイツ語訳に専念。
それまでの聖書はラテン語で書かれていてそれを読むことができる聖職者の独占(特権)だったんだけど、ルターが庶民も読むことができる様にドイツ語に翻訳。
前出のグーテンベルクの印刷技術により大量に印刷され多くの一般の人に読まれるようになったんだ=^_^=
聖書図書館では主任の高橋祐子さんと広報担当の柳澤真さんが親切に案内してくれました♪
図書館にはいろいろな「聖書」がいっぱい!
この木製ケースに入った大きな巻物は「トーラー(モーセ五書)の巻物」。
細かくヘブライ語で書かれていて、読むときはこれに直接触れてはいけないので専用のヤッド(Yad)という指示棒を使って読むんだって。
そしてこの大きな木製カバーの本が「グーテンベルク聖書」の複製。
カバーを開けると手書きのカラフルな装飾が♪
書籍というより美術品ですニャ♪
貴重で歴史を感じる蔵書の数々を気軽に見ることができる聖書図書館は明後日6月30日で閉館。
蔵書の多くは青山学院大学の新図書館(2020年以降建設予定)に寄贈されるんだって。
この歴史的で芸術的な聖書の数々とはしばらく会えなくなり淋しい感じ・・・
お時間のある方はぜひこの機会に聖書図書館へ♪
高橋さん、柳澤さん、ご案内ニャんけしぇん=^_^=
聖書図書館(一般財団法人日本聖書協会)ホームページ ⇒ http://www.bible.or.jp/library.html
(28. Juni 2017)
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