ドイツの春・Ostern
はじめまして。ドイツ大使館の公式クックパッドにて、ドイツの美味しいもの日記を細々と連載させて頂いているYukiと申します。
この度、ご好意でYoung Germanyにも載せていただけることになりまして、ずっと愛読者だっただけに感謝☆感激☆雨☆嵐です!
ドイツではようやく長い冬が終わり、春がやって来ました。
私の住んでいるデュッセルドルフでは東京よりも先に桜が咲き始めました。春が来る、ということはドイツはシュパーゲル(白アスパラガス)とオースタンの季節です!
シュパーゲルについては是非こちらをご覧ください:https://cookpad.com/diary/2773656
オースタン(Ostern)とはドイツ語でイースターのこと。
ドイツ人にとって大事な二大イベントの一つです。もう一つは言わずもがなクリスマスです。
これでもか!というくらい呑んで食ってのお祭り騒ぎ。
やる時は徹底的にやる真面目なお国柄が反映しているのか、休暇明けは皆ふっくらして戻って来ます。
余談ですが、こういう時にふっくらしてしまったお腹をドイツ語でSpeckbauch(シュペックバウフ)と言います。シュペック=ベーコン、バウフ=お腹なのでベーコン腹といった感じ。「夏休みまでにこのベーコン腹なんとかしなきゃ〜」みたいな感じで使います。
イースターは春分の日から最初の満月の後の日曜日と定められているため、毎年日にちが変わります。今年は3月20日が春分の日だったので、イースターは4月14日から17日まで。旅行に行かれる方はご注意ください。お店閉まっちゃいます。
イースターは、キリストが十字架に掛けられたとされる聖金曜日(Karfreitag)、聖土曜日(Karsamstag)、キリストが復活した日である復活祭(Ostersonntag)、イースターマンデー(Ostermontag、祝日)
の4日間続きます。
カトリック教会では聖金曜日から復活祭までプチ断食をする風習があったようですが、現在はするとしても甘いものなど好きなものを我慢する程度だそう。
調べてて知ったのですが、バイエルン州やバーデン=ヴュルテンベルク州では聖金曜日と聖土曜日にTanzverbot(ダンス禁止令)なるものがあるのだそう。ダンスがダメ、というよりもイベントなどを開催できないということみたいです。
旅行に行かれる方はご注意ください。
イースターのシンボルは卵(生命の誕生と再生の象徴)と繁殖力の高いウサギ。
子どもたちはイースターの時期になると家庭や幼稚園でイースターエッグ(Osterneier)を作り、庭木をデコレーションしたり、部屋に飾ったりします。
そして待ちに待った復活祭当日は、庭で卵探しをします。この習慣はイースターうさぎが庭の茂みに卵を隠すという言い伝えから始まったものとされていますが、西ドイツの一部ではウサギではなくキツネだったり、チュービンゲンではシュバシコウ(コウノトリ)が卵を運んでくる設定になっていたりと地方によって諸説あるようです。
ゆで卵に色付けしたものを隠すのですが、現在では卵型のチョコレートを代用することも多いようです。イースター前になるとスーパーにはカラーリング用の卵、既にビビッドな着色が施されている茹で卵(食欲は一切湧かないけれど、、、食べれます。皆イースターが終わった後食べてます)、卵型やウサギ型のチョコレートが並びます。
スーパーに売っているゆで卵。もはやグロテスクなカラーリング。
家庭によってはチョコレートと一緒にお金(お年玉的な)
やプレゼントがついてきたりするので、
子どもたちにとっても大事な書き入れ時なのです。
イースターチョコレート。見えにくいですが、ウサギの首にお札(お年玉)が巻いてあります。
イースターを目前に寒波がヨーロッパを襲うことが多いのですが、
ドイツでは既に真夏のような気温の日もあり、
今年はこのまま暖かなイースターを迎えることになりそうです。
Yuki
東京都出身。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒。
脱サラ後ベルリンで1年間の浪人生活を経て、
現在デュッセルドルフはハインリヒ・ハイネ大学でメディア文化学を専攻中のアラサー大学生。
東京のフラムクーヘン店Leckermaulのスタッフ。
クラシック音楽とメタル、写真と映画と美味しいものが好き。
ドイツの知られざる食文化やサブカルチャーについて発信していきます。
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