半年ぶりに日本に帰ってきてみて?
Servus, 横文字をたくさん使いたい盛りのトリリンガルもどき、Saarland留学中の石川です。落ち込むこともありましたが生きています。3月の上旬は大学でテストを受けるために日本に途中帰国をしていました。ご飯を食べまくって5キロぐらい太ったり、大使館の方にお世話になったり2回シーズンギリギリのスキーしたりと帰国する前に書いた別の下書きをほぼ一月経った今読み返してみてまた書きたいことが出てきたんでこっちを優先させてみたいと思います。
異文化コミュニケーションや文化適応の本を読むとよく出てくるのが「逆カルチャーショック」という言葉。その名の通りカルチャーショックの逆バージョンです。外国人が母国に帰った際、生活していた国との習慣の違いにカルチャーショックのような反応を見せる現象です。半年しかドイツに滞在していない私も「カルチャーショック」ではないのですが、実家や東京での生活の中で同じような差を感じました。内容としてはありきたりになっちゃいますけど載せてみます。
1:電車が小さい、音が大きい
これは羽田に着いてからすぐ電車に乗って感じました。行くときには全く思っていなかったのですが...都市部のSバーンやUバーンは日本と同じような車両が多いのですが、それ以外のドイツ鉄道の電車はほとんどが低床車両だったり高車高なのでその分大きく感じます。利用者もそこまで多くないので、スーツケースを持って乗っていてもそんなに罪悪感はないですね。
ただ代わりに日本の電車は利用客が多い分すごいドア数や両数が多い編成がほとんどで、ザールラント人に東海道線15両編成の車両や総武線の6ドア車両、7時台の横浜駅の写真を見せるとびっくりされます。
いわゆるモーター音もなぜかドイツの車両はすごい抑えられていて、ディーゼルカーでもそこまでありません。分岐のあの揺れもほとんどないです。ドイツは騒音に結構厳しいので電車も規制されているのでしょうか?静かだからなのか車内で寝ている人も結構見かけます。もちろんスリは日本よりずっと多いので私たちは気を付けなくちゃいけませんね。
2:お店の人が違う
ドイツでは店員さんは座りながら仕事をしたり、お客さんの前でタバコを吸いながらずっとおしゃべりしていたりしてとってもフランクな感じです。電車だと係員さんが客車内で普通に席に座ってのんびりしています。
日本、というか東京は本当にお店の人がキビキビ働いていると実感しました。コンビニのお兄さんも学食のおばさんもずっと立ちっぱなしで商品をスキャンして袋に入れてくれて、ポイントカード持っていれば割引できるとか言ってくれたり、お箸やおしぼりをすぐにつけてくれたり、「〜円いただきましたので〜円のお返しです」と一つ一つ言ってくれたり。丁寧かつ迅速な行動を皆さん一様にしてくれます。個人的にこれは「東京っぽいな」と思います。ものすごい速いので日本にいた時でもたまに落ち着かない時がありました(;´Д`
地元(神奈川県二宮町、小田原市)に帰ってきた時、商店の人がレジで座りながら漫画を読んでいるのを見てなんか安心しました笑。でもやっぱりドイツの人と比べると仕事は速いです。
3:家が寒い
実家に帰って時差ぼけもすごかったのですぐお風呂はいって寝ようとしたのですが脱衣所、廊下がすごい寒い。明け方起きたらまた部屋が寒い。ドイツの方が気温は低いのですが、その分暖房や断熱がしっかりしています。廊下もきちんと暖房があります。日本も北国はそんな感じですね。ドイツでは密閉二重窓が一般的です。
ただそれは同時に通気性が悪いという意味でもありますので、換気をしっかりしないと、私みたいにカビを大繁殖させて処理に大量のお金も手間もかかることになりますので、そこは本当に注意です。ドイツに来たら1日2回は換気をしよう(今月の標語)
日本は吉田兼好が「家の作りやうは、夏をむねとすべし」と述べたとおりなので、夏の方がエアコン(?)とかすだれとかグリーンカーテンとか色々オプションあって過ごしやすいかなと思います。逆にドイツはクーラーがありません。去年は30度を超える日がずっと続いたので、デパートでおじいさんの如く涼んでいました。
4:飲み会がすぐに終わる、料理がたくさんでる
ドイツで一足先に成人(18歳)したので、大学生の遊びの味(変な意味じゃないです)はドイツで覚えました。ドイツの大学生の一般的な飲み会は、誰かの家で11時ぐらいまで飲む→街で飲むorクラブに行って3時ぐらいに帰る、というルーティンです。日本に帰ってきて初めてアルコールが入った飲み会に行ったのですが、だいたい10時ぐらいに終わってそのあと2次会というのが多くて少しびっくりしました。遅くとも終電までに帰る日本の方が健康的かなと思いますが...
あとドイツのバーでは基本的に「おつまみ」や「お食事メニュー」というものがありません。あとシメで食べるラーメンみたいなのもないです。それらはレストランや"Brauerei"という醸造所(クラフトビールが本当に美味しい)で美味しいのが出されます。ただそこは逆にお酒が高いので飲み目的ではあんまり行きません。というわけでみんなポテチやピザを家で食べてお店ではひたすらビール、ショットを飲み続ける。日本人が同じペースで飲むと体壊しそうです...これはビールが破格の安さでお酒が強い人がマジョリティーだからこそ為せる技です。日本の居酒屋の砂肝や鳥の軟骨揚げや温玉入りシーザーサラダを美味しくいただきながら飲むのもいいですが、こういう飲み方もなんだかんだ楽しいですね。
5:(東京限定)時刻表を見なくてもスイスイ行ける
これは帰ってきた時本当に助かりました。京急や東京モノレールのきめ細かいダイヤ...ドイツは利用客が少ない分、電車の本数が15~30分に1本はザラで1時間に1本というのもあります。だから上智大学にいてそこから横浜中華街に行きたくなった時に乗り換えアプリを見ずに直接駅に乗ってきた電車に乗るということができるのは本当に便利ですね。京都行こうと言わんばかりに東京からどこへでも当日新幹線で行けるのもすごいです。
こうしてみるとドイツと日本の違いは表面的なものはすごいたくさんありますね。でも内面とかを掘り下げるとまだまだ色々ありそうかなと思います。ずっと恋焦がれていたカラオケで中島美嘉を熱唱できたので今は満足です。
今年で20歳になったので、ちょっと自粛していたドイツでの飲酒について思いっきり書けるのは本当に嬉しいです。時差ぼけがすごくて午後2時に寝るという偉業を達成しましたが、今度は頑張って早めにあげます。ではでは
18. März 2017 石川輝