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初めての選挙 in Saarland

初めての選挙 in Saarland

どうも、予想より早く来た春に部屋をどうしようか焦り、毎晩汗だくのSaarland留学中の石川です。

 

明日(3月26日)に控えたザールラントの州議会選挙。今年の9月に行われるドイツ連邦議会選挙の前哨戦のような形で、図らずもこんなに小さな州が日本からも注目されるようになりました。果たして現政権がこのまま舵取りを続けるか、それとも別の組み合わせになるのかよくわかりません...大学の名前も背負っている以上あんまり政治的なことは書けませんし、政治学専攻でもない自分自身が強い知識や意見を持っているわけでもないのでここで詳しい政策や自分の意見は書けません。スイマセン

ただ言えるのはザールラントは特に変わっていないです。選挙があるからといってすんごい平和でちょっと寂れたザールラントの日常はそんなもんで崩れません。尊敬。

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ドイツでは選挙活動は本当自由で、候補者の人がいなくても、街中でこの党を応援してください的なブースでボランティアの人が活動しています。選挙ポスターもこんなにカラフルだったりメッセージがストレートだったり大きなビルボードも貼ってあったりして豪華ですね。昔大学で先生が「ドイツの政治活動は市民参加が多い」と言っていたのを実感します。

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今のザールラント州は連邦議会と同じく、第1党で中道右派のドイツキリスト教民主同盟(CDU)と第2党で中道左派の社会民主党(SPD)が大連立を組む構成となっています。ただ一部の報道によると今回の選挙によってCDUが政権から離れ、SPDが現最大野党の左翼党 (Die Linke)と連立を組み、政権を握る可能性もあるとのことです。ちなみにこの連立を政党の色からドイツ語で(Rot-rotes Koalition)というそうです。

ドイツのテレビ局ZDFが23日に行った支持政党調査では、与党のCDUが37%、SPDが32 %、野党の Die Linkeが12.5%、緑の党(Die Grüne)が4.5%、ドイツのための選択肢(AfD)が6.0%となっています。

ZDFの選挙記事を集めたページはこちらです(ドイツ語):https://www.zdf.de/politik/politbarometer/Politbarometer-extra-Saarland-klare-Mehrheit-fuer-Grosse-Koalition-Kramp-Karrenbauer-mit-grossem-Vorsprung-vor-Rehlinger-100.html

ちなみにこの調査によると、州知事は現職でCDU所属のKramp-Karrenbauer氏になりそうです。

争点になっているのは日本でも報道されている通り移民・難民政策です。ザールラントも昨今たくさんの難民を受け入れており、それに関しての議論もあります。

ただザールラントで大きな課題になっているのは教育問題です。その中で特に重要なのが、中等教育就学年数いわゆるG8/G9問題だと感じます。結構前に話しましたが、ザールラント州の中等教育学校ではこれまでの9年制を廃止し、現在は8年制と若干短くなっています。これによって学力の低下や子供の自由な時間の確保が難しくなるという理由で9年制に戻そうという動きが見られています。あと私が通っているザールラント大学の予算に関しても議論されています。予算をもっと教員の雇用に回してほしいらしいです。

あともちろん年金などの社会保障も言われています。

そんなこんなで日曜に控えたザールラント州議会選挙。いろいろ大注目、らしいですね。日本から注目していただけるのは本当にありがたいです。ただそこまでザールラントはギスギスしていないのも知っていただけると幸いです。

日本に帰ってきた時いろいろな物を見たら、ドイツ社会大混乱みたいな書かれ方をしているのも多くてショックだったので...すいません意見言っちゃいました笑。ではでは

25. März 2017 石川輝

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム