ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

トラブルの事② 前半戦

トラブルの事② 前半戦

なぜかドイツのケーキは、倒れて来る。見た目綺麗なのにもったいない。でも、とても美味しい。

 

こんにちは、T.Yです。そろそろ来る大学の最終テストや課題に戦々恐々としながら毎日を過ごしております。

石川君のところは、日本に興味のある学生が多くていいですね。バイロイトには日本のスタムティッシュはありますが、ドイツ人の数は日本人ほど多くはないです。ドイツ語を学ぶ場としてはいいのかもしれませんが、やはり日本に興味を持っている人といない人とでは付き合いやすさが格段に違うと思います。コミュ能力皆無(ドイツ語学科にいて留学しているくせに)の私は、純ドイツ人に下手くそなドイツ語で話しかけにいけるほどの豪胆さはないので、ドイツ人の知り合いがあまり増やせないでいます。それが今のところの問題点ですかね。

さて、そんなコミュ能力皆無(大事なことなので二回言いました)の私は、年明け早々トラブルを抱えて色々大変でした。今回はそんな私のトラブル奮闘記(というほどでもないけれど)をご紹介します。

 

トラブル① 荷物来ない!

タイトル通りですね。日本からの荷物が全く届かなかった問題。

 

時はクリスマス前にさかのぼります。私の母は一人異国で暮らす私のために、日本の食品や調味料、本などを時々送ってくれます。今回は三回目で、これまでは何事もなくこちらに届いていたので、私はそこまでドイツの郵便に悪いイメージは持っていませんでした。

ちなみに、ドイツの郵便はDHLと言って、日本からの荷物はほとんどこの会社経由で送られてきます。

そんなこんなで、今回もいつも通り届くだろうとのんきに構えながら、私は日本からの荷物を待っていました。

しかし、一週間たっても荷物は来ない。 いつもなら、一週間もすれば届いているのに。どういうことだろう。

 

……( ゚д゚)ハッ!

そっか!クリスマスだからか!

 

クリスマスから新年にかけて大学が休みになるように、きっとドイツ社会でもその期間は動いていない会社や店があるのだろう。DHLもそれの一つに違いない。客からしてみれば迷惑極まりないが、それなら年が明ければきっと動いて届けに来てくれるだろう。

今にして思えばなんと馬鹿な考え方をしているのかと思いますが、当時はとにかくそう思って、私は特に何もしないままクリスマスと年末年始を過ごしました。(この時にプラハとベルリンに行ってきました。)

そして、一月一日にベルリンから戻り、それから学校が始まるまでうだうだ引きこもり生活をしていたわけですが、やはり荷物は来ないし来た形跡すらない。そもそも受取人がいなかった場合、ドイツでは不在票なるものが入れられ、郵便局まで取りに行くかもう一度送ってもらうかなど決めることが出来るのですが、それすら入っていない。(時には、隣人や同じ寮の見知らぬ人に預けられたりすることもあります(笑)二回目の時は、このパターンでした)

 

一月四日、母親から連絡が入り、「どうやら荷物は不在で三回ほど送り返されているらしい」との情報を得ました。なら、バイロイトのDHLにいけばそれはあるのだろうか?仕方がないので、DHLの人に荷物の所在を尋ねに行くことにしました。

翌日、街へ繰り出し、中央駅近くのDHLへ。受付の人に荷物の番号を見せ、「この荷物預かってませんかね?」と聞いてみたところ、「ここにはない」との返答。よく分からなくて、もう一度聞きにいっても似たような回答でした。

そこで母親から聞いた荷物の番号をドイツのDHLのホームページで検索したところ、最後の方がNürnberg  Shipment on hold という記述で長々埋められていました。なんと、荷物は不在で送り返されたのち、ニュルンベルクで「発送準備中」のまま一週間以上も放置されていたのです。

これ…絶対荷物来ないやつだ!!

一週間以上もとどまっているという事は、恐らくDHLが荷物の存在すら忘れているという事でしょう。きっとこのままだと日本へ強制送還 oder ニュルンベルクのどこかで行方不明になるのがオチだという結論に行きついた私。

ここで、絶っっっ対に取りたくなかった最終手段を使いました。

 

≪≪DHLのサービスセンターに電話!!≫≫

 

バイロイトにも届いていないなら、直談判しに行くことも出来ません。だからといって、このまま何もしない訳にはいかない。これしか方法が残されていませんでした。

私は電話が大の苦手で、日本にいる時ですら、電話を取って話すのは苦行でした。そんな私が異国の地で、しかもドイツ語も英語も堪能ではないのに、たった一人で電話をかける。これを試練と言わずして何と言いましょうか。本当に嫌でした。今でも思い出すと、電話を掛ける前の恐怖がよみがえります。

 

来る一月六日の午前、私はついに携帯電話を片手にDHLのサービスセンターに電話をしました。チキン発症により、通話のボタンを押すのにもすごく時間がかかりましたが。

何か機械音声のドイツ語で「●●についてご相談なら何番」とか言っていますが、よく分からないので無視します。

そして待つこと三十秒ほど、遂に電話がどこかに繋がった!

ガチャ「ハロー」

T「ハ、ハロー、私はT.Yと言います。えっと、わ、私の荷物が、こちらに届いていないのですが」

「分かりました。~~~?(←何か問いかけているのはわかる)」

T「あ、英語話せますか?(無理だドイツ語わからない)」

「はい。荷物の番号を教えて頂けますか(英語)」

T「あ、はい、えっt」

プツッ

T「…え?あの、もしもし?もしもし??」

シーン…

 

( ゚Д゚) ≪≪切 れ た ≫≫

 

何という事でしょう。せっかく勇気をフルスロットル出力で出して電話をかけたというのに、全てが始まる前に終わってしまいました。

しかし、サービスセンターに繋がることはわかったので、もう一度電話してみます。

ガチャ「ハロー(←別の人)」

T「ハロー、私はT.Yと言います。私の荷物がこちらに届いていないのですが」

シーン…

T「もしもし?…もしもし??」

シーン…

 

( ゚Д゚)≪ま た 切 れ た!!!≫≫

 

何なんでしょう一体!携帯は私に何か恨みでもあるのでしょうか?!どうして二回ともいいところで切れるんだ!!ふざけるのも大概にしなさいよ携帯!!

と、心の中で荒ぶっていたのですが、よくよく考えてみたら、今使っている携帯はドイツで購入したプリペイド式で、そういえば十一月の終わりに入れてもらったプリペイドカードへのチャージを全くしていませんでした。残高を調べてみれば、お金全然ない。

もしや、これが原因か!? 電話が切れる原因がチャージで解消されるかも!と思った私、すぐさまスーパーに走ってチャージ用のプリペイドカードを購入しました。(ドイツではチャージ用のプリペイドカードは、LEWE, Lidlといった大衆用のスーパーに普通においてあります。自分の買ったプリペイドの種類を確認して、購入します。チャージの仕方は、ググれば詳しく載っているサイトがあるのでご安心を)

しかし、チャージできたはよかったものの、こんな短時間で三回も電話をかけたら、流石にいたずらとか不審者とか思われるのではないかとビビった私は、しばらく時間をおいて、午後に電話を掛けることにしました。

 

そして、遂にその時が来ました。また心を落ち着けるのに時間を取りながらも、今度こそはと電話します。

ガチャッ「ハロー」

T「ハロー、私はT.Y(以下略)」

「分かりました。」

T「あ、英語話せますか?」

「もちろんです。荷物番号を教えてください」

T「は、はい、えっと…●、●…フィーア、あ、ノー、フォー…ノイ…ナイン…………」

見ての通り、番号を伝える時もテンパってドイツ語と英語が入り混じるという失態を犯したのですが、この電話を取ってくれたお兄さんは辛抱強く聞いてくれました。本当にありがたかったです。

それから、私の荷物がニュルンベルクで止まっていることを確認、こちらが在宅している時間を尋ねたのち、月曜日(一月九日)の十四時にこちらに届けるように手配すると約束を取り付けてくれました。

やったーーー!これにてミッションコンプリート!! 私の半日における電話との戦いは、ようやく幕を下ろしたのでした。(嬉しすぎて、母親にラインまでしてしまったのはここだけの秘密です)

 

そうして、やってきた月曜日。朝の授業を一コマ終えた私は、部屋に戻って荷物が届くのをひたすら待っていました。

しかし、十四時を過ぎても、部屋の呼び鈴は全く鳴らない。

一時間を過ぎても、何かがくる気配すらない。

不審に思った私は、再びDHLのホームページで自分の荷物を追跡してみました。

 

 

 

最後の行

 

1/9  AM 8:00          Nürnberg   Shipment on hold

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……………(#^ω^)

 

振り出しに戻った、荷物受け取り攻防戦(?)!

T.Yは無事荷物を手に入れることが出来るのか!

次回に続く!

 

 

 

 

 

 

…なんてね(笑)

あまりにも文字ばかりなので、最後に写真一枚だけ載せておきます。

$RXPDZ7M

 Zwicklという黒ビールです。バイロイトで一番有名なレストラン、オスカーでスタムティッシュをした時に飲んだものです。前にここにきた韓国人の子(ドイツ人以外にも日本に興味のある人は誰でもスタムティッシュ入れます)のおすすめだったのですが、飲みやすくて確かに美味しかったです。

では、今回はここで締めます。次回は後半戦をお送りします。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

T.Y  20.01.2017 5:48

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム