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ああマナーってむずかしいPart1 「ヌーハラ」のお話

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ああマナーってむずかしいPart1 「ヌーハラ」のお話

みなさん、あけまして、おめでとうございます!2017年ということで、東京オリンピックまで、いよいよ【あと3年】になりましたね。

 

オリンピックにはたくさんの外国人観光客が来日するわけですが・・・タトゥーに関する考え方の違いやお食事面でのマナーの違いなど、まだまだ越えなくてはいけない山というか課題は多い気がします。

 

お食事面でのマナーといえば、少し前に「ヌーハラ」という言葉を耳にしました。

 

最初この「ヌーハラ」という言葉を聞いた時、私は「ん?なんの省略?もしかしたら『ヌード・ハラスメント』なる和製英語かしら?!」「確かにニッポンの電車では、ヌードのお姉さんが載っているスポーツ新聞を堂々と読んでいる男性がいたりするからなあ~」なんて勝手に思っていたのですが、、、幸いこれは私の完全なる勘違い。「ヌーハラ」は「ヌード」とはまるで関係なく、「ヌードル・ハラスメント」の省略なのでした。以前テレビの「とくダネ」でもこの問題を取り上げていましたので、覚えている人もいるかも?

 

ニッポンではお蕎麦(やラーメンなど)をズズズとすすって食べますが、これが一部の外国人から「あの音が下品!」「すするなんて、マナーがなっていない」と言われており、現段階で解決方法(?)は出ていないわけですが、【ニッポンの昔からの食べ方(音を出してお蕎麦を食べる)】 VS 【外国の人の意見】 といわばどちらを重視するべきなのか…?どちらに合わせるべきなのか…?というのがこの「ヌーハラ問題」の争点となっているのですね。

 

さて、私サンドラの立場を最初から言ってしまうと、私サンドラはお蕎麦はすする派です!とはいっても、実際の「ズズズ」はドイツ育ちのためあまり上手に音が出せなかったりしますが、隣りで音を出している人がいても全く気になりません。まあこれは私の場合、母が日本人で、子供のころから日本に来ていたので、そういう意味で既にある程度「慣れていたから」というのがあるのかもしれません。

 

もしそういう背景がなく、大人になって初めて日本に来てこの「ズズズ」を聞いたとしたら…私もびっくり仰天したに違いないのです。でもたとえびっくり仰天したとしても、冷静に考えると、ここはやはり「郷に入れば郷に従え」。これがすべてだと思うのです。日本国内で、日本の食べ物を、日本流に音を立てて食べる。これの何が悪いのか!と思います。

 

ただ私自身こう見えて意外と小心者ですので・・・正直「お蕎麦屋さん」で欧米人と日本人の両方がいる場にはあまり居合わせたくない、というのはあります。お蕎麦の「ズズズ」に明らかに不快感を示す人達と、その隣で皆が「ズズズ」とやっている、というその場には居合わせたくない(笑)私は欧米人(ドイツ)と日本の「ハーフ」であるわけですが、こういう場では、どっちの味方をしても、責められそうで怖いのです。

 

まあ私の場合はもう日本側です!と先程このコラムで暴露しちゃいましたが(笑)

 

pencils「麺をすする」という問題に限らないことですが、「人間Aが人間Bを汚いと思っている。マナーが悪いと思っている」という場面に居合わせると、誰でもそうかと思いますが、本当に居心地が悪いものです。

 

と同時に思うのは、マナーってやっぱり育った文化圏の影響が(当たり前だけれど)強いということ。麺をズズズとすするあの音が「生理的にダメ!」という欧米人も多いのですが、この「生理的に嫌い!」「生理的に嫌悪感」というのも、その人の育った背景なんですよね。つまりそういう音を聞いてこなかったから不快に感じるわけなんです。

 

とても困ったことに、人が「生理的に不快!」「生理的に嫌い!」と言い切っていることに対して、理屈でつめるのは時に困難だったりします。「嫌い!」と言っているところに「でも・・・・」とやると、「でも嫌いなんだもん!」という幼稚な展開になることが多いのでね。

 

このように「お蕎麦のズズズ」はまことに困った問題ですが、欧米人、特にドイツ人は時に人前で「チーン!!!」とそれはそれはものすごい音(Lautstärke)で鼻をかんだりするので、「あれはニッポンではダメなのですよ♡ でもお蕎麦の『ズズズ』は日本ではオッケーなんですよ!面白いですよね・・・・?♡」と相手に語りかけ、興味を持ってもらえたら、「相互理解」というものに一歩近づけたのかもしれません。

 

次回もまたドイツ人の「鼻チーン!」に触れます(笑)次回は「マナ・ハラ」(マナーハラスメント)について書きます。

 

改めまして、今年2017年もどうぞよろしくお願い致します!

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン