魔女たちの笑い声
間もなくお昼。
「今年は平穏に時が過ぎる」
と、罪深き男性職員たちがホッとしていた頃、魔女たちは示し合わせた様にハサミを利き手にしっかりと握りエレベーターホールに集まっていた・・・
任務完遂を誓いお互い目を見つめると、徐に「狩り」に出かけるのであった。
魔女たちは真っ先にフォン・ヴェアテルン大使の執務室に向かい、最初の「獲物」にやさしく微笑み近づく。
いつもは取り次ぎを待たねばならぬが、大使秘書は勿論黙認。
午後のスピーチを準備していた大使は不意を衝かれ、しかし慌てず彼女たちを笑顔で迎え、手に持つ凶器を見つけ「やはり・・・」とネクタイを差し出す。
嗚呼、哀れフォン・ヴェアテルン大使!
午後のスピーチでは、
「今日はネクタイを切られる日ですからみなさん気をつけて!」
と、来館者に注意を促す・・・
次はグラープヘア公使。
この「訪問」を半ば諦めて待っていたのは確かで、潔くネクタイを差し出す。
ただ、魔女たちがネクタイをつかんだ瞬間「ネクタイが違う!」と気付いた様だが、彼女たちのハサミは既にしっかりと食い込み何の躊躇いも無く仕事を遂行したのだった・・・
多くの男性職員はこの日に備えて、「切らせてあげる用のネクタイ」を準備するのだ。
あまりのショックに、もう、自分でVサインならぬハサミの真似をするので精一杯。
嗚呼、無念グラープヘア公使!
ドイツのカーニバルは地方によって特色豊かで、中にはパンを配ってお祝いする習慣があるところもあり、今日はグラープヘア公使、美味しいパンを魔女たちにプレゼント♪
やっさし~♡
これで勢いのついた魔女たちは次から次へと男性職員を狩る、狩る、狩る・・・
そして大阪の総領事館でも、ミニングさんが大阪の魔女たちの餌食に・・・
成果に大満足の魔女たちの笑い声がアトリウムに響き渡る。
でも、ネクタイを切られたあとにはキスのご褒美もあるから満更でもニャい?!=^_^=
(04. Februar 2016)
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