ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

ドイツの大学の概要

ドイツの大学の概要

ドイツの大学制度は、大学で勉強しようとする学生に、多様な履修課程や修了資格を提供している。

ドイツ全体で約390校の大学があり、16000以上の課程で約200万人が学んでいる。

ドイツに留学しようとする外国の学生にとって、
「Universität(総合大学)」、「Fachhochschule(専門大学)」、「Technische Universität(工科大学)」の違いや、
「Diplom(ディプロム)」「Staatsexamen(国家試験)」、「Bachelor(バチェラー)」
などの違いは、必ずしも分かりやすいものではない。

大学改革

「Hochschule(大学)」という言葉は、総合大学、専門大学、美術大学、映画大学、音楽大学などをまとめた、上部概念である。

まず、州立大学と、州認定大学の区別がある。ドイツの大学は主に州立大学で、すなわち州政府の予算で運営されている。このほか、州が認定した多くの大学があり、これらの大学の運営母体は、教会や民間団体である。履修する課程を選ぶ際には、その課程が州政府の「アクレディション」、つまり評価認証を受けているか、注意する必要がある。履修課程の質が検証をうけていることは、一般的に就職の際にも、ドイツの雇用主に評価されるし、博士課程に進む場合にも要求される。

フンボルト大学 ベルリン

フンボルト大学 ベルリン



総合大学

現在ドイツ全体で、121の大学がある。各大学は教育のほかに、理論研究や実証研究を行っている。博士号や教授資格を授与できるのは、総合大学のみである。医学、教員養成課程、法学など、「古典的」な履修課程は、総合大学にしかない。

工科大学はその名前の通り、技術領域の教育と研究に特化した大学である。また、医学や芸術などを専門とする総合大学もある。

専門大学

ドイツには、総合大学のほかに215の専門大学があり、これらの大学は、学術研究が主体の「伝統的な」総合大学に比べると、実践や応用を重視している。このため技術、自然科学の専門課程がおかれていることが多いが、例えば社会学、経済学、教育学、政治学などの課程もある。多くの専門大学では、実習や外国留学が履修課程に組み込まれている。215の専門大学のうち30校では、行政分野の職業につくことを目的にした専門教育を行っている。

アーヘン大学

アーヘン大学



以前はFachhochschule (専門大学)という名称だった学校が、今ではHochschule(大学)という名前に変わっているのは、少し紛らわしいかもしれないが、組織形態としては同じである。

美術大学、映画大学、音楽大学

ドイツにある56の美術大学、映画大学、音楽大学では、入学試験でその能力を立証した学生が、アーティスト、歌手、楽団員、音楽教師、映画監督などをめざして教育を受ける。入学したい学生は多いので、入学できるまで待機したり、入学試験を受けなおしたりすることも珍しくない。

ほとんど全ての美術大学、映画大学、音楽大学で、博士号や教授資格を取得することができる。

卒業資格

欧州連合内の大学卒業資格を統一的で比較可能なものにするため、いわゆる「ボローニャ改革」が決定され、以前は大学卒業資格として授与されていたディプロムは、1999年からは段階的にバチェラーとマスターに移行していった。現在は、16000の大学履修課程のうち、ディプロムが授与されるのは250課程のみである。

バチェラー

ドイツの大学履修課程の過半数において、修了資格はバチェラーである。具体的には、それぞれの専門により、理学士、文学士、工学士、法学士、教育学士、美術学士、などの学位がある。バチェラーの課程を終えるには、基本的に6学期から7学期(3年から3年半)必要である。ドイツでは、バチェラーの資格を持っていれば、問題なくそのまま職業生活に入ることができる。

chemist working in the laboratoryマスター

マスター課程はバチェラー取得後に進むもので、2学期から4学期(1年から2年)の履修が必要である。バチェラー/マスターという制度では、それぞれの段階で、専門課程を多様に組み合わせることが可能で、専門課程の選択肢も大きい。博士課程に進んで博士号を取得するには、マスターを修了していることが条件となる。

専門大学のバチェラー資格で総合大学のマスターに進むことや、逆に総合大学のバチェラー資格で専門大学のマスターに進むことは、基本的には問題ない。ただし、入学の条件を決めるのは各大学なので、大学に進もうとする学生は、長期的にはどのように勉強したいのか、前もって計画を立てるべきである。

国家試験

法学部、医学部、薬学部、教員養成学部の約半分の課程では、国家試験、つまり国が行う試験が卒業試験となる。

ドイツの大学の状況は多様で、一見すると解りにくいかもしれないが、様々な職業につくための、最も良い準備ができるようになっている。総合大学や専門大学を選ぶ際には、それぞれの学生が、自分の興味やキャリアプランに従って判断し、決定するべきである。

出展:

http://www.arbeitsagentur.de/web/content/DE/service/Ueberuns/WeitereDienststellen/ZentraleAuslandsundFachvermittlung/Studium/StudiereninDeutschland/Detail/index.htm?dfContentId=L6019022DSTBAI666919

https://www.daad.de/deutschland/nach-deutschland/publikationen/de/

http://www.hochschulkompass.de/hochschulen.htm

 

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