ドイツの大学で学ぶ — デュッセルドルフとその大学
ドイツの大都市での留学に関心はありませんか?今回はハインリッヒ・ハイネ大学と、モードと経済の中心地、デュッセルドルフでの生活をご紹介します。
デュッセルドルフはノルトライン・ウェストファーレン州で2番目に大きい州都で、人口では隣のケルンに次いで大きな街です。国際的に有名であるだけでなく、ネットワークに富む一大都市であることから、ベルリン、ハンブルク、フランクフルト、ミュンヒェンと並ぶドイツの主要都市であると言えます。デュッセルドルフの国際性や日本とのつながりは、様々な点に見て取ることができます。
多くの企業がデュッセルドルフに拠点を置き、ロレアル・ドイツやヘンケルの他、メルセデス・ベンツといった数多くの会社がこの街を拠点としています。また、デュッセルドルフ国際空港には日本への路線もあり、ドイツ第3位の大きさを誇ります。そのためドイツ各地やヨーロッパを旅しようと思う人にとって、デュッセルドルフは格好のスタート地点であると言えるでしょう。例えばパリやアムステルダム、ブリュッセル、ロンドンでしたら、ここから難なく行くことができます。
街中で文化的に目を惹くのは旧市街のほか、多くのショップやバー、居酒屋、ブルワリー、レストランが立ち並ぶケーニヒスアレー通りです。「ケー」とも呼ばれるこの通りにはたくさんの高級ブティックや店舗が軒を連ねています。美術館や劇場も多数あります。
また、デュッセルドルフと言えばカーニバルです。デュッセルドルフのあるラインラント地方では、カーニバルのシーズンを「第5の季節」と呼び、思い思いに仮装した人が歌と踊りで盛り上げます。話題のテーマや人物、前年の出来事などを風刺した山車のパレードなども見ることができます。近年、カーニバルはドイツ各地で開催されるようになりましたが、その本場がラインラント地方であることはよく知られており、なかでもデュッセルドルフは随一の知名度と規模を誇ります。デュッセルドルフは国際色豊かな食文化の街でもあり、世界各国のグルメを楽しむことができます。ご当地グルメももちろんあり、マスタードやアルトビールなどは有名なデュッセルドルフ名物です。
また、デュッセルドルフほど日本とのつながりが深いドイツの都市はありません。ここには大きな日本人コミュニティがあることから、市内全域に日本食レストランや日系の店舗があるほか、日本国総領事館もあります。様々な業種の日本企業も数多く拠点を置き、日本人幼稚園や日本人学校もあります。ですからこの街では日本人医師や日系スーパーが簡単に見つかります。ライン河沿いで年に一度開催される「日本デー(Japan-Tag)」は食文化や武道、音楽、ファッションなどを通じ、日本を様々な視点から紹介する一大フェスティバルです。毎年多くの人が訪れ、最終日には花火が打ち上げられます。この街の暮らしやすさは、マーサー社の世界生活環境調査で6位に入っていることからもわかります。International Student Barometer(留学生満足度調査)でも、デュッセルドルフに留学経験のある外国人学生の多くが、安心して暮らせる街と答えています。デュッセルドルフでの暮らしと日常は、市のウェブサイトに詳しく紹介されています。ひと月の生活費は750から800ユーロです。
大学は、最も有名なデュッセルドルフ生まれの作家であり詩人のハインリッヒ・ハイネにちなんで名づけられたもので、略してHHUとも呼ばれます。人文、文化、社会、経済、法律、自然科学のほか、数学や医学といった複数の学部があります。キャンパスは市内に分散せず、大部分が一か所に固まっており、市立病院に隣接していてアクセス良好です。ハインリッヒ・ハイネ大学への留学準備で重要なのは、期間の長短に関わらず十分な時間を取らなければならないということです。学位を取得する場合でも交換留学でも、注意すべき点がいくつかあるため、計画は早くから立てることが必要です。交換留学に関するよくある質問と答えは、大学のホームページでも紹介されています 。また留学準備や資金、アクセス、宿舎など役立つ情報は、大学のウェルカムガイドに掲載されています。
留学生にとって最も重要な学内相談窓口は、インターナショナル・オフィスと呼ばれる国際課と、国際学生オリエンテーション・サービスでしょう。ここに相談すれば、特定のテーマでわからないことがあったときに手助けをしてくれる人が見つかるはずです。
デュッセルドルフでの留学が快適なものとなるよう、学期ごとに一度、文化行事が用意されており、ドイツ人学生や各国からの留学生とシティツアーに参加したり、美術館や劇場に行ったりすることを通じて、この街をより良く知ることができるようになっています。学位を取得しようと考えている人向けの「Mate-For-You」プログラムではドイツ語会話の機会や、大学、街、そしてドイツという国を知る機会が提供されています。何か問題を抱えてしまったら、バディと呼ばれるドイツ人学生がパートナーとして相談に乗ってくれるでしょう。この他にも、旧市街では毎週シュタムティッシュと呼ばれる例会があり、知り合いの幅を広げることができます。交換留学生には必ず一人、メンターが付きます。インターナショナル・オフィスは企業訪問も実施しており、日本企業を初めとする市内外の国際企業を見学することもできるようになっています。
例会と言えば、デュッセルドルフ日本学のシュタムティッシュもあり、たくさんの日本人やHHUで現代の日本を学ぶ学生たちで賑わっているので、将来のタンデムパートナーと知り合う格好の機会と言えるでしょう。開催日は毎月第一木曜日です。
ハインリッヒ・ハイネ大学は、日本の大学との間に多くの協力関係を持っています。公式な協定校には慶應義塾大学、青山学院大学、同志社大学、浜松大学、明治大学、早稲田大学があり、あらゆる学部で協力が行われていることがわかります。協定校出身の10人には奨学制度があり、毎年各校から選ばれた1名がドイツ語ブラッシュアップのための夏期語学研修に無償で参加できるようになっています。4週間の研修は8月に実施されることが大半で、様々なレベルに対応していますが、完全な初学者向けのクラスはありません。奨学生には家賃・生活費として300ユーロが支給されるほか、授業後はデュッセルドルフ市内や近郊をめぐる各種プログラムも実施されています。HHU協定校に在学中の方は、奨学制度の詳細も確認できます。なお、協定校以外の学生もHHUに留学できることは言うまでもありません。
この他、HHU現代日本研究所の交換留学先には、文教大学、フェリス女学院大学、金沢大学、千葉大学、慶応義塾大学、南山大学、大阪大学、琉球大学があります。このように、デュッセルドルフとHHU、そして日本とその大学の間には、数多くのつながりがあることがわかります。2013/2014冬学期には、44人の日本人学生がHHUに留学中でした。次はあなたもいかがですか?