カンツラー襲撃作戦
【極秘指令】
本日、カンツラーが最初に部屋を離れるその時、我々は用意した61個の「爆弾」を速やかに部屋に配置しなければならない。
途中で破裂の可能性もあるため、その取り扱いには細心の注意をもって慎重かつ丁寧に行なうこと。
我々はその場に留まりその結果を見届ける。
カンツラーが部屋に戻ったその時、我々は勝利の雄叫びを上げることとなろう。
カンツラー(Kanzler)はドイツ語では首相を表すときに使われる言葉。
通常「首相」は英語でPrime Minister、ドイツ語でもMinisterpräsidentと表現されるんだけど、ドイツの首相とオーストリアの首相はBundeskanzler(「Bundes-」は連邦のという意味)と呼ばれているんだ。ちなみにドイツの首相メルケルさんは女性なので語尾が変化してBundeskanzlerinとなりますニャ=^_^=
英語のchancellorにあたるこの言葉は中世のフランス語の「chancelier」が語源で、本来は「宮廷や法廷の門衛、案内役、事務員、秘書官」という意味だったんだ。それが長い歴史の中で使われ方が変化し、1867年に北ドイツ連邦が成立するとビスマルクがその首相となり自ら「Bundeskanzler」と名乗ったんだ。
先週の金曜日に出た何やらこの物騒な「極秘指令」の対象カンツラーは、総務課長のランゲンベルクさん。(⇒ あわせて100歳♪)
実は大使館の総務課長は代々「カンツラー」と呼ばれているんだ。
この極秘指令は、誕生日のランゲンベルクさんをビックリさせようと総務課の職員さんたちが「企んだ」サプライズ♪
何も知らないで部屋に戻ったランゲンベルクさんはビックリで作戦成功!
秘書のカティアさんから62個目の爆弾がついたランゲンベルクさんが大好きな日本酒を手渡されると、職員一同雄叫びならぬお祝いの歌を合唱。
この後ランゲンベルクさんはこのすべての爆弾ならぬ風船をひとつひとつ割らなければならず、2メートル近い巨体のランゲンベルクさんにはちょっとキツそう・・・
詩人でもあるランゲンベルクさんは今年、待望の詩集を出版。
タイトルの「Duftender Sake」はお酒のいい匂いという意味で、ページをめくるたびにお酒のいい香りがしてきそう♪
サブタイトルの「Lyrische Schnapsideen」にもシュナップス(日本の焼酎にあたるお酒)が登場してますニャ=^_^=
本に出てくる「もっきり」などの写真はすべてランゲンベルクさんが自分で撮影したもの、そしてこの本のアクセントになっている達筆の書「酒波百薬乃長(酒は百薬の長)」は奥様の直筆。
東京勤務が2度目。その間に大阪の総領事館にも勤務した日本が大好きなランゲンベルクさん。
おめでとうございます♪=^_^=
(10. August 2014)