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「フィンスターワールド」

「フィンスターワールド」

ドイツ、2013年、91分、デジタル上映、英語字幕付き
監督:フラウケ・フィンスターヴァルダー、クリスティアン・クラハト
出演:ミヒャエル・メルテンス、マーギット・カーステンセン、ザンドラ・ヒュラー、ローナルド・ツェーアフェルト、コリンナ・ハルフッフ、ベルンハルト・シュッツ

 

最初の長編映画にして今年のベルリン国際映画祭で上映されるという幸運に恵まれたフラウケ・フィンスターヴァルダー監督と瀬川裕司氏(明治大学教授)を迎え、上映後にQ&Aを行います。

参加ご希望の方はMail Symbolinfo@tokyo.goethe.orgまで、全員のお名前(お二人様までお申し込み可)、メールアドレスとお電話番号をご明記の上、メールにてお申し込みください。

『フィ ンスターワールド』は仮想のドイツが舞台となっている。いつも太陽が輝き、学生たちは制服姿だ。警官は熊の着ぐるみを着て気分転換。フット・エステティ シャンは老齢の夫人にクッキーをプレゼント。しかしこの美しいパラレル・ワールドには恐ろしい落とし穴がひそんでいる。その恐ろしい世界へ観客を引きずり 込むのがこの作品。

5つのエピソードからなる本作は、かつての強制収容所をたずねる高校生と歴史教師、警官とストレスを抱えたドキュメン タリー製作中の彼女、老人ホームで恋におちるフット・エステティシャン、スノッブな中年夫婦、森で孤独に生きる男と彼が助けたカラスが、それぞれ関連性の ない物語として描かれるところから始まる。

ところがこれらの物語は互いに接点を持っていることが次第にあきらとなってゆく。語られる言葉 は現代人の心に鋭くつきささるものである。各エピソードの人物たちは自分自身もぐるぐると回転しながら、なおかつ他の人物の周りをループ状に回りながら、 誰も予期しなかった結末へと進んで行く。作品の最後は、振り帰れば、行き着くべくして行き着いた着地点であったのかもしれない。

フラウケ・フィンスターヴァルダーは、1975にハンブルクで生まれる。ベルリンで文学と歴史を学んだ後、ベルリンのマキシム・ゴーリキー劇場と同市のフォルク スビューネで働き、その後南ドイツ新聞で編集の仕事に携わる。ミュンヘン・テレビ映画大学でドキュメンタリー映画の監督を学んだのはその後である。現在は 家族と東アフリカに住む。『フィンスターワールド』は彼女の最初の長編劇映画であり、脚本は、小説『ファーザーラント』(1995年出版)で人気作家と なった夫のクリスティアン・クラハトとともに書き上げた。

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