若者が古い建造物を保全
伝統的な木組みの家は、建築として小さな傑作といえます。見事な彫刻や記号、文字などで飾られた家々は、同じものはありません。野外博物館「ヘッセンパーク」には、100以上の木組みの家が、それぞれの部材に分解され、保存されています。「眠れる家」と呼ばれるこれらの家のひとつが、1850年代に建てられた「フリーレンドルフの家」です。この家はこのほど、ヘッセン州のマールブルクに再建されることになりました。ヘッセン州マールブルクにある青少年建築工房で一年間社会奉仕する若者らが、再建作業を行います。2015年までに若者らが木組みの家を再建し、家はレクリエーション施設に付随する建物として使われる予定です。
青少年建築工房は、ドイツ歴史的建造物保護財団の施設で、ドイツ全土において16歳から26歳の若い人々に、歴史的建造物の保全や、ヨーロッパの文化遺産に関して、理論や実践の基礎知識を教えています。このようにして青少年建築工房は、ICOMOS(国際記念物遺跡会議)がかかげる目標の実現をサポートします。ICOMOSはUNESCOと協力し、1982年に「世界記念物遺跡デ―」を創設しました。この記念日は、あらゆる民族の文化遺産は、人類にとって重要なものであり、その保存と保護は、全ての人の関心事である事を確認するものです。
職人仕事の経験
ラウラ・ホーフリヒターさんは、歴史的建造物とは、単なる古い建物でないことを知っています。リューベックの青少年建築工房のセミナーで、細やかな感覚の重要性や、オリジナル建築に忠実であることの大切さを学んだのです。ラウラは歴史的建造物の保全について、「簡単なことではないけど、だからこそとても面白い。特に現場で作業を体験できるから。」と述べています。ラウラは他のボランティアと共に、ルネサンス期の市街地にあった小さい家屋の修復作業に参加し、古い壁を補強する壁土を作りました。
ボランティアにとってこのプロジェクトは、単に実践的な仕事をするというだけでなく、歴史的建造物に関わる仕事に就くという、職業的な観点からも意味があります。19歳のマックス・ギ-ゼさんは、クエドリンブルクの青少年建築工房でボランティアとして働き、漆喰職人、大工、屋根職人などを補助しました。マックスはもう次の計画を立てています。「一年間のボランティア期間を修了したら、まずは大学には進学せず、職人の仕事の分野で、職業教育を受けるつもりです。」
4月18日世界記念物遺跡デ―
www.icomos.de
www.denkmalschutz.de