日本とドイツの文化の違い~「年齢」について~
この連載では、ハーフの視点から見た日本とドイツ、そして両国の文化の違いについて書かせてもらっている。昔から思っていた(でも中々書く機会がなかった)のは、ドイツと比べて日本は「年齢」が重要視されているということ!
「そんな事ないよ」
とよく反論されるのだが、ぶっちゃけ、そんな事あります(笑)
ドイツであまり「年齢」って話題にのぼらないのですが、日本で年齢はかなり重要視されているようで、雑誌に載る芸能人や、事件にかかわっている人物の「名前」の横にはよくカギカッコで(年齢)が記されていたりします。
メディアに限らず、一般の雑談でも日本は「年齢」がらみの話題が多いです。
「ワタシなんかもうオバサンだから~」とか、「25歳はお肌の曲がり角♪」とか、「いえいえ、ワタシなんかもう三十路ですからあ~」
どれもこれも、ドイツ語に訳せない言い草ばかりですね。
酷いものだと「閉経ババア」なんて言葉もあるようです。罵声の種類には事欠かないドイツ語でも、この手の単語 (?) は私は聞いたことないですね。
ちなみ「閉経ババア」はインターネットなどで女性の悪口を書く時に用いられる言葉のようです。
そして言葉こそ下品でなくとも、女性同士の会話で同じ意味合いの発言を巷で聞きます。
「あの人 (女) トシだし、きっと生理もあがっちゃってるからイライラしているのよ」と女性同士で (その場にはいない女性を肴に) おしゃべりに花を咲かせていたりします。
ちなみに、私が一番「???」と思ったのは、先日聞いた「40とか50になって独身で働いている女性って、見ていてあんまり気持ちのいいもんじゃないわよねえ~」「わかるわかる~。そうそう!」という会話。
私はぶっちゃけ全然わかりません (笑) 上記の会話からするに、家にいて子育てしている女性を見ているほうが「見ていて気持ちいい」ものなのでしょうか…? う~ん、よくわからないですねえ。
なにはともあれ、私はこの手の会話にはあまりのらないようにしております。
これは私に限らないようで、ドイツで育った女性を見ていると、「年齢」にまつわる話が会話の中にあまり出てきません。
ドイツの皆さんはあまり年齢に興味がないようです (笑) あ! でも、誕生日はしっかりとお祝いします。それこそケーキに「60」とか「70」と年齢を書いて派手にお祝いします! そしてドイツの文房具売り場には「70才!」とか「80才!」とか「85歳!」と書かれた派手な誕生日カードが沢山売っています。
… 2つの国を比べるとき、食べ物がちがうとか、建物がちがう、とかそういう違いを見つけるのも楽しいけれど、こういった「感覚の違い」などを人々と会話をしていく中で見つけたり発見したりするのもまた楽しいですね。
… 発見する事がまだまだたくさんありそうです(笑)
サンドラ・ヘフェリン
ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴15年、著書に「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」(光文社)、近著「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) など6冊。自らの日独ハーフとしての経験も含め「ハーフ」について執筆している。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、執筆、散歩。目黒川沿いや碑文谷をよく散歩している。
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