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多文化共生ガーデン -Interkultureller Garten-

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多文化共生ガーデン -Interkultureller Garten-

今日は!

 

連日40度に迫る気温を絶賛観測中のハイデルベルクに留学中、ふみなです!ドイツの建物には基本冷房が付いていないので辛いです(笑) しかも私の寮の部屋は最上階にあるので疲弊しております…

そんなこんなしているうちに今学期の授業も終わってしまいました!テストや課題から解放されたものの、寂しさをも感じているこの頃です…笑

 

さて、今日は皆さんに、ドイツにある、地元密着型の取組みについてご紹介したいと思います!

 

多文化共生ガーデンというのをご存知ですか?移民や難民を多く受け入れているここドイツ。国や州、各都市では様々な政策を打ち出して多文化共生の実現に力を入れていますが、地域毎の小さな単位でも多文化共生の取組みは存在しているのです!多文化共生ガーデンはその1つと言えます。私は今学期、ハイデルベルク近郊のネッカーゲミュンドにある多文化共生ガーデンに何度か足を運び、その取組みを見てきました!

 

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そもそも多文化共生ガーデンとは一体何なのか。簡単に言ってしまうと、地域の人達が交流できるガーデニングの広場のようなところです。大事なのはそこの参加者。多文化共生という名の通り、多国籍の方々がガーデニングに関わっています。私が足を運んだネッカーゲミュンドのガーデンにはイラク、スロベニア、クロアチア、ハンガリー、東トーゴなどなど、非常に多くの国からの移民や難民の人が多文化共生ガーデンに参加されていました!つまり、この多文化共生ガーデンの醍醐味は、ガーデニングを通して移民や難民の人達が地域に関わり、暮らしやすくしていくことにあるのです。

 

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ガーデンには参加者それぞれの所有の区画があり、そこで参加者は各々自分の好きな野菜や花などを菜園することができます。また共有スペースも存在し、そこではお茶をしながら参加者同士がお喋りを楽しんだり、子供達の遊び場として活用されたりしています。お茶ができるテラスのようなスペースや遊具は参加者全員で一緒に作ったということでした。参加者は自分の好きな時にガーデニングをしに行くことができますが、週に1回は全員が集まる日が決められており、そこでより参加者同士の交流を深めることができます。

 

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多文化共生ガーデンはドイツ国内に非常に多く存在しており、それら全てをanstiftungという会社が管轄しています。anstiftungは各ガーデンでのガーデニングに関するトラブルに対応したり、ガーデニングの知識を提供したりしています。

私がお邪魔したネッカーゲミュンドのガーデンは、当初ハイデルベルクに多文化共生ガーデンを作ろうと計画していたとのことでした。けれどもハイデルベルクでは役所に断られてしまい、隣町のネッカーゲミュンドに作ることになったようです。ガーデンの管理は町からの補助金に加え、参加者からそれぞれ年10€を集めて行っている他、町には地代として年30€とワインボトルを払っているとのことでした。

管理していく上でガーデンの責任者の方が心掛けていることは参加者とのコンタクトです。冬季はガーデニングはやらないため、余計にコンタクトを取ることは重要だと言えます。そして冬季であっても定期的にカフェなどに全員が集まり、ガーデニングに関して一緒に勉強もしたりしているそうです。

 

実は私、このネッカーゲミュンドの多文化共生ガーデンの他にも4つほど、連絡を取っていたガーデンがあったのですが、その殆どから返事が返って来ませんでした。側から見たら素晴らしい取組みに思える多文化共生ガーデンですが、実際は、確実に機能しているガーデンは数える程しか無いのも事実かもしれません。だからこそ、参加者とのコンタクトを1番に心掛けていると聞いた時はとても納得させられました。

 

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何故ガーデニングが多文化共生において有能なのでしょう?私がドイツに暮らしていて感じるのは、日本よりもガーデニングをしている人が非常に多いということです。土地があるから、というのも関係しているとは思いますが、ガーデニングを楽しんでいる人はとても多く、それが1つのアイデンティティの表現方法なのではないかと思うのです。またガーデニングは国の違いは関係なく、多くの人が興味を持つものでもあります。多文化であれば、参加者それぞれが菜園するもの、その方法は様々でしょう。そこからより他国への関心も参加者同士の中で生まれ、交流を深めていくことが可能なのだと思います。またガーデニングにより体を動かすため、アドレナリンが出て心身ともに爽快になるからこそ、良い雰囲気の中での交流が生まれるのではないでしょうか。このような環境下、多文化共生ガーデンでは、互いの違いを認め合って交流することをモットーとして掲げており、だからこそ参加者それぞれが対等に意見を交換し合える交流の場が育まれているのだと思います。

 

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日本は島国だからということもあり、まだまだ多文化共生が進んでいないのが現状です。けれども外国人労働者の受け入れ拡大などで近い将来、日本も多文化社会になるのは必至と言えます。国や都道府県などの政策以外にも、地域密着型の多文化共生システムの開発は必要になってくるでしょう。その際、何が有効かを今から考えていく必要があるのではないでしょうか。その形はガーデンに拘ることはありません。ガーデニングのように、多国籍の人が興味を持ち国や地域によっての違いが存在し、体を動かすなどで和やかな交流を形成することができるもの。これらの要素などを含む、日本なりの地域密着型の多文化共生システムの形があるはずです。それを考えていくことが今後の私の研究の課題でもあるのだと思っています。

 

大橋ふみな

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム