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シュタルガルダー・シュトラーセで、自由への祈りとアイスのさんぽ

行列の絶えないアイス屋さんの前で。

行列の絶えないアイス屋さんの前で。

シュタルガルダー・シュトラーセで、自由への祈りとアイスのさんぽ

今回はシュタルガルダー・シュトラーセ(Stargarder Str.=シュタルガルト通り)をさんぽしましょう。ここも前回のオーダーベルガー・シュトラーセ(オーダベルク通り)同様、歩いて楽しいストリートです。

ドイツの通りの名前の多くは、地名または人名から命名されていますが、この通りはStargardという、現在はポーランドに位置する街から名付けられました。

ベルリンの壁崩壊前も、後も、自由への祈りを捧げる教会

シュタルガルダー・シュトラーセ1番地は、シェーンハウザー・アレー(Schönhauser Allee)という大通りとの角から始まっています。地図:https://goo.gl/maps/nzVhNdC5iJd1W5Kh8

 

1番地の前に立ってみました。

1番地の前に立ってみました。



 

1番地に立つと、左手に教会の塔が見えます。今は改修中で外観がよく見えませんが、近くまで行ってみましょう。

2019年7月現在教会は改修中ですが、内部見学はできます。

2019年7月現在教会は改修中ですが、内部見学はできます。



 

ゲッセマネキルヒェ(Gethsemanekirche =ゲッセマネ教会)というこの教会は、プレンツラウアー・ベルク地区で最も古いプロテスタント教会というだけでなく、実はベルリンの壁崩壊にも大きな役割を果たしました。

プレンツラウアー・ベルク地区は、東西ドイツ再統一前は旧東ベルリンに位置しており、当時の東ドイツ政府に反対し、民主化を求めるグループたちがここで活動していました。ゲッセマネキルヒェは、ミッテ地区のツィーオンスキルヒェ( Zionskirche=シオン教会)と並んで、民主化を求めるグループたちの集会の場となっていたのです。

壁崩壊の直前となる1989年10月、東ベルリンで行われた民主化要求のデモにおいてデモ参加者が逮捕される事件が起きたとき、ゲッセマネキルヒェではキャンドルに火を灯して、抗議の意を示したのでした。

 

現在ゲッセマネキルヒェでは、トルコで市民の自由が脅かされているとして、毎日18時に祈りを捧げています(2019年10月末日までの予定)。

現在ゲッセマネキルヒェでは、トルコで市民の自由が脅かされているとして、毎日18時に祈りを捧げています(2019年10月末日までの予定)。



 

 

では再び前進しましょう。

おいしいアイスでちょっと休憩

巨大なアイスの置物(実はゴミ箱です)が見えてきました。

巨大なアイスの置物(実はゴミ箱です)が見えてきました。



右手に見えるのは「クライネアイスツァイト」(Kleine Eiszeit)という名の小さなアイス屋さん。店内に席はなく、お店の前のベンチに腰かけて食べます。この通りにはもう1軒別のアイス屋さん「ホーキー・ポーキー」(Hokey Pokey)がありますが、そこができるまでは、歩道に常に行列ができていました。

予約不要のヘアサロン「コップフゲルトイェーガー」。

予約不要のヘアサロン「コップフゲルトイェーガー」。



ベルリンではカット&ゴーと呼ばれる、予約不要のヘアサロンがいくつもあります。店内で番号が書かれたチケットを取って待つだけ。自分の番号が呼ばれたらカットしてもらい、最後に自分でブローをして帰ります。マッサージや待つ間のドリンクなどのサービスは一切ないので、料金が安いのが魅力です。私も以前に何回か利用しました。教会のすぐ先にある「コップフゲルトイェーガー」(Kopfgeldjäger)も、そうしたカット&ゴーです。

さらに進むと、左手に何やら行列が見えてきました。そう、これが先ほどお話ししたアイス屋さん「ホーキー・ポーキー」(Hokey Pokey)です。

今日は暑かったので、やはり人が並んでいます。

今日は暑かったので、やはり人が並んでいます。



2011年にオープンしてからというものお客さんの列が絶えず、近隣住民から苦情が来るほどだったそうです。なぜそこまで人気があるのかといえば、たぶんそれまでにない凝ったフレーバーが揃っていることと、味がいいからなのだと思います。

注文時にはカップかコーンかを伝えます。これは2スクープ分。

注文時にはカップかコーンかを伝えます。これは2スクープ分。



値段は1スクープ1.80ユーロと、ベルリンにしては強気の設定にもかかわらずこれだけ大勢が買うのですから、試してみたくなりませんか?

イートインスペースには壁一面に鏡が。

イートインスペースには壁一面に鏡が。



えぇっと、私は……このココナッツ・マンゴーとシナモンのを頼みます。フレーバーのメニューは入り口の脇にも出ているので、並んでいるときに何にするか楽しく悩んで決めましょう。

アイスは店内でも食べられます。インテリアも素敵なので、ぜひ見てみてください。

さて、アイスのお味はいかがでしたか。ちなみにアイス屋さんは2軒とも冬季休業です。冬は寒くて、アイスどころではないですからね。

いきなり休憩してしまいましたが、シュタルガルダー・シュトラーセはまだ始まったばかり。ちょっとテンポを速めていきましょう。

歩道から感じる歴史のひとしずく

「フラウ・ローゼ」というこの花屋さんはセンスがいいです。プレゼント用の花束を買うときに。

「フラウ・ローゼ」というこの花屋さんはセンスがいいです。プレゼント用の花束を買うときに。



 

1800年代後半から1900年代初頭にできた「アルトバウ」と呼ばれるアパートが並びます。

1800年代後半から1900年代初頭にできた「アルトバウ」と呼ばれるアパートが並びます。



 

ヤングファミリーが多いプレンツラウアー・ベルク地区。ベビーカーをよく見かけます。

ヤングファミリーが多いプレンツラウアー・ベルク地区。ベビーカーをよく見かけます。



進行方向右手に、公園が2つ見えてきました。どちらの公園でも子どもと大人が遊んでいます。こんなふうにホッとできる場所がたくさんあるのが、ベルリンの大きな魅力の一つです。

公園には欠かせない卓球台。みんな大好き。

公園には欠かせない卓球台。みんな大好き。



ここまで来たらシュタルガルダー・シュトラーセはあと少し。前半部分に比べると、お店もグッと減ります。

進行方向右手の38番地まで来たら、足元に注目してください。金色に光る「シュトルパーシュタイン」(Stolpersteine=躓(つまづ)きの石)が歩道に埋められています。

ベルリンだけでなく、ドイツやそのほかの国にも埋められています。

ベルリンだけでなく、ドイツやそのほかの国にも埋められています。



これはナチスによって殺されたユダヤ人らがここに住んでいたという印。それぞれのプレートには、犠牲者の名前と生まれた年、死亡した日付と場所が刻まれています。このプロジェクトは、グンター・デムニッヒ(Gunter Demnig)というベルリン生まれのアーティストによって始まりました。

シュタルガルダー・シュトラーセの終わり。前方左手に見えるドームはプラネタリウムです。

シュタルガルダー・シュトラーセの終わり。前方左手に見えるドームはプラネタリウムです。



この先でプレンツラウアー・アレー(Prenzlauer Allee)とぶつかって、シュタルガルダー・シュトラーセは終わります。つまりシュタルガルダー・シュトラーセは、南北に走るシェーンハウザー・アレーとプレンツラウアー・アレーの2本の大通りを結んでいるのです。

この後は近くにあるプレンツラウアー・アレー駅からSバーンに乗ってもいいですし、トラム(路面電車)に乗るのも楽しいと思います。

今月はこのへんで解散です。また来月ご一緒にさんぽしましょう。ご案内は、ベルリン在住ライターの久保田由希でした。

 

久保田 由希

東京都出身。小学6年生のとき、父親の仕事の関係で1年間だけルール地方のボーフムに滞在。ドイツ語がまったくできないにもかかわらず現地の学校に通い、カルチャーショックを受け帰国。大学卒業後、出版社で編集の仕事をしたのち、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいと、2002年にベルリンへ渡り、そのまま在住。書籍や雑誌を通じて、日本にベルリン・ドイツの魅力を伝えている。『ベルリンの大人の部屋』(辰巳出版)、『歩いてまわる小さなベルリン』『心がラクになる ドイツのシンプル家事』(大和書房)、『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)、『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)ほか著書多数。新刊『ドイツ人が教えてくれたストレスを溜めない生き方』(産業編集センター)。散歩、写真、ビールが大好き。

Blog : http://www.kubomaga.com

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久保田 由希