ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

イラストレーターとして、ベルリンで生活するということ#3『個展会場の探し方』

003

イラストレーターとして、ベルリンで生活するということ#3『個展会場の探し方』

こんにちは、ベルリン在住のイラストレーターKiKiです◎

ベルリンに移住すると決めたときに立てた3年前の目標の1つに、『ベルリンで個展をする』というものがありました。

私はイラストレーターで、よくアーティスト?と聞かれることがあるのですが、自分の中では『大部分がイラストレーターよりの、ちょっぴりアーティストなのかもしれない』と言う感覚で過ごしています。絵を描くことは、物心ついた頃からの1番身近な支え的な、親友的な、特別な存在で、その感覚で日常的に描いている絵は、脳みそと右手が直結して生まれたものなので、それはアートに分類されるのではないかと思います。イラストレーターは、クライアントさんの要望にお答えして、その内容を視覚的に伝えるためのイラストを生み出していくお仕事だと考えています。今の感覚的比重は、イラストレーターの気持ちが大きいです。

日本の美大で学んでいた学生時代、特に有名になりたいとか、承認欲求が抑えきれないとかではなく、『抑えられている頭の中のものを、これらを解放しないとおかしくなる!』と言う気持ちがただただ最優先で大爆発していて、絵画・立体問わず常に何かをつくり続け、どこかの展示会場で展示をさせてもらっていました。

その感覚が、ベルリンに来ても続いていくのかなあと思っていたのですが、こちらに来てから『そのままの自分でいることが許される環境』に心が満たされていき、今にもパンクしそうな強迫観念はなくなって、静かな波が押し寄せてくる感覚で絵を描いていくようになりました。

そういう感覚に移行すると、ベルリンで個展をすると目標にしていたことも、爆発的解放欲求が小さくなった今『なぜ個展をする必要があるの?』と、理由がわからなくなっていきました。

頭の中でぐるぐるしている中、2つの巡り合わせがあり、ベルリンで展示をすることになりました。展示準備を進めていく中で、『ベルリンでいろんな人との繋がりをつくるきっかけ』になるような企画をイラストとともに出来たらという『理由』を見つけることができました。

前置きが長くなりましたが、きっとこの記事を読んでいる人の中には、『海外でどうやったら展示できるチャンスをつかめるんだろう?』と思っている人もいるはず。私の場合は巡り合わせなので、売り込みなどあまり気の張ったことはしていないのですが、何か行動を起こす参考になれば嬉しいなと思うので、今回は『ベルリンでの個展会場の探し方』の探し方について、書きたいと思います◎

 

作品を展示することができる会場とは?


・ギャラリ

まず、ギャラリーなら2パターンあるのではないかなと思います。契約したアーティストしか展示をしないギャラリーと、アーティストがある期間借りる料金を支払い、展示をすることができる貸しギャラリー。

・カフェやイベントスペースなど、気に入った場所

カフェだったり、イベントスペースだったり、気に入った場所『ここの雰囲気好きだから、ちょっとこの壁に絵を飾らせてもらえないかなあ?』と交渉してみるもの全然ありだと思います。

 

もし、プロのアーティストを目指すのであれば、しっかりポートフォリオを作り込んで、ギャラリーに持ち込みに行くのがいいのではないかと思います。ベルリンには本当にたくさんのギャラリーがあって、人々はとてもオープンマインドです。ギャラリーではないのですが、1度雑貨屋さんに作品を取り扱ってもらえないかと飛び込み営業をしたことがあります。対応してくれたお兄さんはとても親切で、その場で持参した作品と私のHPも見てくれ、ベルリンでアーティストとして作品を取り扱ってもらう場合の基本的なお金事情やアドバイスなど小一時間ほどおしゃべりしたあと、他にも私の作品が合いそうな営業先リストまでその場で書いてくれて、紹介してくれました。飛び込み営業は緊張するかと思いますが、きっと何かしらの収穫はあると思います!

ちなみに、私は日本に住んでいたとき合計4回の個展と、複数のグループ展に参加させて頂いたことがあります。大学卒業間際に行った初個展は、よく遊びに行っていたカフェに併設された貸しスペースをお借りしましたが、その後は友達の紹介やお声をかけて頂くという形で、ギャラリー・カフェ・バーなどで展示をさせて頂いていました。会場費用は発生しませんでしたが、その代わりギャラリーやお店とのコラボ商品を作ったり、来てくれる人が楽しんでくれるようなイベントを企画したり、『一緒に楽しむ』というwin winの関係で展示会を行っていました。これと似た感覚でアプローチしていく方が、いつでもオープンマインドなベルリンには合っているかもしれません。というのも、そんな感じで私の展示は企画されたからです。

 

日本語とドイツ語学習のタンデム学習をきっかけに企画した展示会『Gedankenがいぞがしい!! 』2018.01

26198162_1802728153134244_5511995580403283251_o-760x496

タンデムパートナー(お互いの母国語を教えあう語学学習のパートナー)のJulieと合同の作品の展示をしました。

私たちはタンデムをするときに、ドイツと日本をテーマにしたイラストを一緒に描きながら、『これは何?日本語でなんていうの?ドイツ語でなんというの?』と話してお互いの言語と文化を学んでいきました。そのイラストたちの枚数も多くなり、いろんな人たちに見てもらう機会をつくり、日本とドイツが好きな人たちの交流の場所であったり、異文化や語学学習について語り合う場所ができたらいいねと、イベントの企画。

そうして実現したのが、『Gedankenがいそがしい!!』という展示会です。

展示会の様子については、以下の記事で読むことができます。

【オペア留学の魅力!番外編】ベルリンで多くの人に出逢い、助けられ、イラストを展示する運びとなりました!

 

【展示会場の探し方】

これも偶然が重なっています。日本とドイツに関係がある会場で出来たらいいよねと、Julieと話していたのですが、なかなか展示をさせて頂けるような会場が見つからず。。ある日instagramを眺めていると、おすすめに『Hiroshima Mon Amour in Berlin お好み焼きレストラン』というアカウントが、ぽっと出てきたのです。

スクリーンショット 2019-06-30 20.10.00

お好み焼き屋らしからぬ、ベルリンのパーティー感抜群のお店の様子に、一目惚れ!直感で、ここでしたい!と思って、インスタ経由でお店のオーナーのMaxに『コラボしませんか?』とメッセージ。イージーゴーイングなMaxは、『面白そう!』とすぐに承諾してくれて、ポンポンとお店で展示させてもらうことが決まりました。instagramで気になるお店やギャラリーをリサーチして、コンタクトをとってみるのも手かもしれません。

 

【ベルリンの企業Tandem Appともコラボ】

これも偶然が重なっているのですが、同時期に日本語バージョンがリリースされるという語学学習アプリ『Tandem app』からのプレスリリースを、広報の方からブログ経由でメールを頂いていました。そのメールをきっかけに、今自分たちがタンデムをテーマにした展示会を企画しています、コラボしませんか?とこちらから提案。需要と供給がマッチし、私たちの出会いや展示会についてのインタビュー記事を、Tandem app様の公式サイトに掲載して頂きました。語学学習を楽しむアドバイスを提供できたことを、とても嬉しく思っています。

TANDEMのとある物語ーランゲージ・エクスチェンジから展覧会へ

 

【オープニングパーティーは、ドイツと日本が好きな人たちの交流会に】

オープニングパーティーの夜は、ドイツと日本に興味のある人たちが集まり、Maxがつくったお好み焼きをみんなで食べながら、日本とドイツについて楽しくおしゃべりする会になりました。私たちがタンデムで描いたイラストが、その会話のきっかけになっていたことがとても嬉しかったことを覚えています◎

 

 

誕生日に合わせて、ルームメイトのシェアオフィスで初個展 2018.10.26

スクリーンショット 2019-06-30 21.20.42スクリーンショット 2019-06-30 21.20.48

去年の9月に新しいWGに引っ越したのですが、そのルームメイトに『10月はKiKiの誕生日なんでしょ?何かパーティーするの?』と聞かれたことがきっかけでした。ドイツでは日本と違い、誕生日の本人がパーティーを企画して友人たちを招くのが一般的。全然パーティーのことは考えていませんでしたが、ルームメイトの1人がシェアオフィスを運営していて、『そこで誕生日パーティー兼個展をするのはどう?』と言ってくれたのです!

実際の誕生日10月12日は予定が合わず開催出来なかったのですが、次の週の金・土・日の3日間、シェアオフィスをお借りして、なんと初個展をさせてもらえることに…!

 

【展示会場の探し方】

これは偶然の友人の紹介、という形になりますが、いろんな友達を作ることが本当に大切だと実感した出来事でした。

友人(ドイツ人)と個展の企画について話していると、

・運営してるシェアオフィスで長い間イベントを企画していないから、一緒に何か面白いことが出来たら嬉しい。

・友人にとって初めて出来た日本人の友人である私と、もっと日本文化の理解を深めるような経験をしたい。

以上の2点が、友人が楽しみにしている部分だということがわかりました。これを全力で叶えつつ、私の初個展も開催する方向で企画を考えることにしました。これはとても大切なことで、日本でしていたことと同じですが、’相手がしたいこと・望むことに自分がしたいことの需要と供給がマッチして実現することほど、ハッピーなことはないなと思います。

 

【オープニングパーティーの様子】

お互いの友人たちが集まるかたちになりましたが、とてもアットホームな空間になりました。シェアオフィスのメッセージノートに、日本語のメッセージが書かれているのを見つけてとても嬉しそうな友人の顔を見て、ほっこりしました。会場の場所も、味を感じるアルトバウ(古いアパート)で、落ち着いた場所にありました。外国人や観光客があまりいないエリアで、国際的なベルリンでは珍しいローカルな関わりが持てたことも、とても嬉しかったです。

 

【展示の様子】

youtubeに動画を個展の様子をアップしています。よかったら、見てみてください◎



 

 

まとめ

海外で展示をするなんてハードルが高い!と変に肩に力を入れずに、いろんな友達をつくって、大切に、そして一緒に何か楽しくできることを考えていたら、巡り合いとタイミングとチャンスがやってきます。その時に、きちんと掴むことが大切なのではないかなと思います。それから、純粋に飛び込み営業をしても、暖かく受け入れてくれる人が多いから大丈夫だよ、ということも伝えたいです。

実は来月、1週間ほどベルリンの共同アトリエで、現地のアーティストたちとお仕事をすることになりました。これも、ゆるい繋がりから生まれたご縁です。現地のアーティストたちの仕事の様子を見たり、何か一緒に出来たらなということも、ベルリンに来る1つの目標でした。このことは次回の記事で紹介できたらなと考えています◎

少しずつ、少しずつ前進。それでは、また次回の記事で!

 

私が今までした展示会(日本時代含む)については、こちらにアップしています。

http://kiyonosaito.com/6-zine/

イラストのポートフォリオサイト

http://kiyonosaito.com/

inatagramでは、定期的にイラストを公開しています◎

@kikiiiiiiy

 

KiKi

西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。

2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏からオペア留学を利用して移住。2018年にアーティストvisaに切り替えました。

例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。

Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/

KiKi