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ボランティア等を通した、難民や移民の方々との出会い

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ボランティア等を通した、難民や移民の方々との出会い

Hallo! 今日は!

 

ハイデルベルク大学留学中のふみなです!

 

暑いですね。そして日差しが強いです。もはや私の体の一部となった左腕の時計焼けがさらにクッキリとしてきました笑 …というのもここドイツだから言えること。日本は今梅雨ですね。そして大気の状態が不安定だとか。ただでさえテンションが上がらない梅雨なのに雷雨だとさらにテンション下がりますよね。ドイツと日本、足して二で割ると丁度良いのかも!笑

 

今回の投稿では、私がこちらハイデルベルクで行なっているボランティア活動やそれに関連したことについてお話したいと思います♪

 

私が参加しているボランティア活動、それは難民支援です。ご存知のように、ヨーロッパにはシリアを始めとした中東などからの難民が多く暮らしています。ドイツがその受け入れに力を入れていることはニュースでも話題になりましたね。比較的治安が良く、都会過ぎず田舎過ぎない街として知られている、ここハイデルベルク。普通に過ごしているとあまり気が付きませんが、意外にもここで暮らしている難民の数は多いということにボランティア等を通して知ることが出来ました。

 

では私がしている難民支援のボランティア活動とは何なのか。それは難民向けのPC教室のチューターです。

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7人程の参加者に対してインストラクター1人、チューター1人がボランティアとして関わり、ワードやインターネット等の使い方、基本動作を学ぶ教室になっています。参加者は老若男女様々ですが、どの人も大学や仕事でパソコンを使うために、PCの基本スキルを身に付けようと真剣に取り組んでいます。PC教室で出会った難民の方々は、シリアやアフガニスタン出身の方が多く、皆国内の戦争から逃れてきた人ばかりです。勿論のこと、祖国ではパソコンをマスターする環境や余裕などはありません。考えてみれば当たり前の事実かもしれませんが、いざそれを目の当たりにすると、自分の置かれてきた環境がどれだけ恵まれていたのかを思い知らされました。

このPC教室は全てドイツ語で行われているため、ドイツ語を使う良い勉強にもなっています。パソコン作業は決して難しくはありませんが、普段日本語表記のものしか使っていないため、やや四苦八苦しながら私も取り組んでいます(笑) 驚かされるのは難民の方々がネイティブ並みにドイツ語を話すことです。個人差は勿論ありますが、私よりも遥かにレベルが高い人も多くいます。あるアフガニスタン人男性はドイツに来て既に3年とのことでしたが、元から英語も使えたというわけではないため、予備知識も何も無しでドイツ語を始めました。それが今や何不自由なくドイツ語を話しているので非常に関心させられます。私は大学に入ってからドイツ語を勉強し始めたので、かれこれドイツ語学習歴2年半になろうとしていますが、到底彼には追いつけそうもないです。こうした点からも、難民の方々のドイツで生きていく強い意志を痛感させられました。

PC教室のボランティアをしている建物

PC教室のボランティアをしている建物



 

 

 

 

このボランティア活動、Asylarbeitskreis Heidelberg e.V.という団体が管理しており、PC教室の他にも難民向けのドイツ語コース、数学のアフターフォロー教室などなど、色々あるんです!それらも勿論ボランティア。ハイデルベルク大学の学生が関わってるケースも多いです。このようにボランティア精神が社会に根付いていることにも非常に驚かされます。日本ではまだまだ根付いていないボランティア活動。オリンピックに関してもそれが懸念されましたね。私が日本で見聞きしていたボランティア活動と言えば、災害支援や年配の方の支援などの重労働ばかり思い浮かべていましたが、実際には様々な活動があるということも身に染みて感じました。勿論ボランティアが一概に絶対良いとは言い切れません。お金が絡んでないからこそなのか、人間性なのか、時間通りでなかったりと適当な部分は多々あります。けれどもお金が関係するからこその水臭さは勿論無く、だからこそ私も難民の方々とより身近に関わることも出来ています。そしてそれが大きな学びをもたらしてくれていると実感しています。けれども見方を変えれば、ボランティア活動が活発であるということは、ボランティア活動をするだけの余裕があるということなのです。ヨーロッパの中では最も経済力のあるドイツ。しかしこちらで暮らしていると、必ずしも経済大国の一面ばかりが目立つというわけではなく、街には物乞いの人を見かけることも日常茶飯事なのは事実です。こうした社会的マイナス面がある中で、ボランティア活動が活発に行われている背景には社会的格差があるのだと思います。その格差と向き合う一つの手段がボランティアとして現れているのなら、それは素敵なことですし、見習うべきものとも言えるでしょう。

難民が多く暮らしていながらも安心して生活出来ているここハイデルベルク。大学中心の街だからこそ、知識を持った志ある人が集まっており、生活基盤も安定している人が多いと言えます。その人たちが自ら進んでボランティア活動を行なっていること、これこそがハイデルベルクという街の環境の良さなのかもしれません。

Asylarbeitskreis Heidelberg e.V.のオフィスがある建物(中央駅横)

Asylarbeitskreis Heidelberg e.V.のオフィスがある建物(中央駅横)



 

 

 

 

もう一つご紹介したいのは、難民や移民などの方々とお茶をしながら気軽に交流できる場、CAFÉ TALKです。

 

これもAsylarbeitskreis Heidelberg e.V.が運営しているもので、ハイデルベルク内にある教会の多目的ホールのような場所を使って毎週火曜日、水曜日、木曜日の16時〜18時に行われています。ここには難民や移民の他にも老若男女問わず様々な人が集まっており、ハイデルベルク大学の学生も参加しています。参加者はいつも20人以上はいるため、最初に自己紹介をしてから少人数に別れてゲームをしたりディスカッションをしたりして交流を図っています。CAFÉ TALKの参加者は難民よりも移民の方が多い印象を受けました。中東や南アフリカ、トルコからの人が多く、ドイツで生計を立てることを目指している人がとても多かったです。興味深かったのは医者の人が移民の人に多かったということ。ドイツの経済的基盤や受け入れ態勢だけでなく、ドイツ医学の歴史や伝統もそこには関係しているのかもしれません。移民の方々も難民の方々と同じく、まずは言語習得に力を入れているという状況でした。そしていずれは家族全員でドイツで暮らしたい、そんな人が多く見られました。

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難民、移民、どちらにも共通して言えるのは、生き抜くための努力を惜しまず、希望を持ち続けているということです。勿論、難民と移民では立場が違うので、重きを置くものやモチベーションはそれぞれ違います。だからこそ、移民の方々からは具体的な将来の夢や期待を耳にすることが多かったのだと言えます。それもそのはず、難民の方々は戦火から逃れ、生きることを第一にドイツに来ているのです。そのためドイツ語習得力は、難民の方が移民よりも優っているかもしれません。それでも、PC教室に参加している難民の方々の将来への希望や期待感は常に感じることが出来ます。大学で学びたい、仕事をしたい…。具体的な何かが決まっていなくても各々、夢に向かって生きている。そんな印象を受けました。

こうした支援態勢がドイツでは日常的且つ当たり前に行われていることにやはり驚かされました。日常的且つ当たり前だからこそ、留学生の私の場合は特に、注意して見ていなければ見逃してしまうようなものなのです。しかし、だからこそ社会への受け入れが可能であり、効果があるのだと思います。もしこれらの支援が注目視され、浮いているような状態であれば、足を踏み入れにくいものとなり、ボランティアに挑戦する人やCAFÉ TALKなどの交流会に顔を出そうとする人の数は限られてきてしまうかもしれません。また難民や移民という存在もより目立ってしまい、暮らしていく上で窮屈な思いをすることにもなり兼ねないのです。

こうした社会に溶け込んだ支援態勢は、ボランティア精神の他にも、大陸文化固有の、人の流動の歴史的多さなども関係しているかもしれません。だからと言ってこれは他人事ではありません。日本も今、外国人労働者受け入れに本腰を入れ始めています。日本で働きたい外国人は数多くいるため、今後その数は増えていくでしょう。その時にいかに日本が世界に誇る社会的安全性を保ちながらも、外国人にとって暮らしやすい環境を提供出来るかが問われるはずです。私がここハイデルベルクで、難民や移民の方々と出会ったことで見えてきた社会のあり方。ドイツと日本しか私の中には比較対象はありませんが、数多くの材料を集め、日本独自の道を作り出していく。こうした動きが今求められてきているのではないでしょうか。

 

大橋ふみな

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2019年4月現在)。2018年夏学期〜2019年夏学期 までドイツ各地に留学中。
真野 萌(Bonn)
大橋 ふみな(Heidelberg)
磯貝 理津子(Freiburg)

上智大学ドイツ語学科学生チーム