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25人の仲間が映画を語り合ったかけがえのない9日間‼ ベルリン映画祭招聘プログラムレポート

25人の仲間が映画を語り合ったかけがえのない9日間‼ ベルリン映画祭招聘プログラムレポート

世界3大映画祭の一つ、ベルリン国際映画祭。第69回の今年も2月に開催されました。ドイツ外務省はこの機会に、世界中から映画界の若い人材を招待し、ドイツの映画について知り、交流を深めてもらうためのプログラムを用意しました。ここに日本から招待された映画プロデューサーの今井太郎さんが、Young Germanyのためにレポートしてくれました。

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2月6日〜14日にかけて、ドイツ外務省からの招待でベルリン国際映画祭に初めて行ってきました。僕を含めて25カ国から25人が参加したのですが、参加者全員、ある日突然ドイツ大使館から電話がかかってきて招待されたという謎のプログラムです。

僕の場合は、去年の11月下旬に突然ドイツ大使館からメールが来ました。「ベルリン映画祭の件で電話したい」と。数日後、電話がかかって来て、映画プロデューサーとして自分がここ数年やって来た活動やこれからの目標等について話したところ、12月中旬に正式に招待されました。どうやら、去年の11月に参加したタレンツ・トーキョーと言う映画の人材育成プログラムの何気ないパーティーで知り合ったゲーテ・インスティテュート/東京ドイツ文化センターのペーター・アンダース所長が僕を推薦してくれたようです。

実際、どう言うプログラムだったかと言うと、ベルリン国際映画祭の体験、ドイツの映画の歴史や産業の紹介、ドイツ外務省との文化的交流といった、ドイツの映画文化をより深く知ると言う感じの大変充実したプログラムでした。参加した25人は各国の映画祭関係者、映画機関スタッフ、批評家、プロデューサー、監督等、全員ユニークな経歴を持った映画関係者で、普段会う機会のない人たちと9日間一緒に映画について話し合えた事は刺激的で、一番大きな収穫になったと思います。


  映画祭のオープニングセレモニーとオープニング作品はみんなで見にいきました。映画祭の雰囲気を一番楽しめた日です。オープニングセレモニーは司会者が政治家をいじるなど大爆笑でしたが、オープニング作品はかなり不評で、翌日はオープニング作品の辛口コメントでみんなで盛り上がりました(笑)。


ベルリン映画祭の選考委員やプログラマーとの対話では、選考のプロセスや、各セクションの特徴、今年話題になっている作品等について話が聞けて、映画祭の裏の事情を知った気分になりました。訪問したドイツ映画のミュージアムとアーカイブはスタイリッシュで家族でもデートでも1人でも楽しめる作りになっており、日本にもこんな博物館ないのかなと思いました。ドイツ外務省ではナチス時代に建てられた歴史ある建物を案内してもらい、特に当時から使われている下手すれば首が切断されそうなエレベーターは衝撃的でした。また、外務省での昼食会はまるで国賓のような待遇だったので今までの努力が報われた感じがしたのと同時に、こんなすごいプログラムに参加しているんだと実感し、今までになかった責任感を感じた瞬間でもありました。




 ドイツの映画製作への助成金の話は大変勉強になりました。ドイツでは国単位の助成金ではなく、地域毎に潤沢な助成金が支給される為、地方にも映画製作のコミュニティがあり、地方で活躍しているプロデューサーがたくさんいます。この仕組みは日本も見習えるのではないでしょうか。

参加者の中ではベルリンのロケ地ツアーが一番評判がよかったです。僕の好きな「ラン・ローラ・ラン」等、ベルリンで撮影された映画のロケ地をバスで映画のシーンを見ながら周り、みんな子供のようにはしゃいでいました。そしてバスガイドさんの映画の知識とトークのプロフェッショナルさが強烈だった!

映画学部のある大学も訪問したのですが、ドイツでは外国人でも大学の学費は無料と聞いて驚きました。しかも卒業制作の作品を作るお金も全員一定の額を支給されるらしいです。全員が監督をする訳ではなく、チームを組んで作品を作るので、同じ学校の中で人数を多く集めると、使えるお金も多くなると言う仕組みです。ドイツの若手監督との対話も勉強になりました。見せてもらった作品のクオリティの高さが半端ではないので、かなりお金をかけているのかと思ったら、日本の学生映画と同じような予算で、みんなで工夫して時間をかけて作っているようです。自分も見習わないと。

 



World Cinema Fundのディレクターとの対話は、羨ましい仕組みだと思いながら聞いていました。World Cinema Fundとはドイツの主に発展途上国に対する映画製作の支援です。日本も国際交流基金がASEAN地域の映画製作への支援をしていますが、地域がASEANに限られている事と、日本との文化交流が前提なので日本と何らかの関係がある企画でないといけないと言う縛りがあるのに対し、World Cinema Fundはドイツと関係がなくてもよく、むしろその国の独自の状況、問題、文化等に焦点を当てた企画が選ばれる傾向にあります。国際交流基金の支援も素晴らしいプログラムなのですが、残念ながら2019年度で終了してしまいます。こういう支援は長期の継続が重要だと思うので、今後も継続して欲しいです。

ドイツ料理はあまり美味しくないと聞いていましたが、今回食べた食事は全て美味しかったです。もしかしたらそれが一番大きな発見だったかも知れません。そして、現地で参加者の面倒を見てくれたゲーテ・インスティテュートのスタッフの対応が素晴らしく、感謝の気持ちでいっぱいです。今でも、25人の参加者とはWhatsAppのグループで毎日会話をしており、かけがえのない出会いと経験をもらえた9日間のプログラムでした。

次回は、自分の作品と一緒に、ベルリン映画祭を再訪したいと思います!





 

 今井 太郎

10年間のサラリーマン生活を経て、2015年より自主制作映画プロデューサーとして活動。2016年製作の『見栄を張る』は、7カ国12の映画祭に出品、日本では2018年に劇場公開された。2018年、ベルリン国際映画祭の一環として開催される人材育成プログラム「ベルリナーレ・タレンツ」のアジア版「タレンツ・トーキョー」に参加。


 

大使館スタッフ

ドイツ大使館 広報部の職員による投稿です。

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