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持続可能な社会へのデザイン 水島奈津子さん

ベルリンでフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動する水島奈津子さん。

ベルリンでフリーランスのグラフィックデザイナーとして活動する水島奈津子さん。

持続可能な社会へのデザイン 水島奈津子さん

「持続可能な社会」は各分野で使われているキーワード。ベルリンで活動しているグラフィックデザイナーの水島奈津子さんは、デザインとオンラインマガジンでこのテーマについて取り組んでいます。自宅兼仕事場にうかがい、活動についてうかがいました。

子ども時代から心に描いていたヨーロッパ移住

子どもの頃からヨーロッパに住むことを思い描いていたという水島さん。「そう思ったきっかけが何だったのか覚えていないのですが、なぜかいつか来ると決めていて、当時日記にもそう書いていました」とのこと。そのために、小学生の頃から英語を勉強していたそうです。

最初に住んだヨーロッパの地はイギリスでした。その後に縁があってベルリンへ移住したところ、出会いがあり結婚へ。育児をしながらベルリンのデザイン・アートカレッジでデザインを勉強するという多忙な日々でした。20代後半からはドイツのデザイン会社やデザイン関係企業、フリーランサーとしてスタートアップで働いたりなど、多様な働き方を経験。グラフィックデザインの仕事と並行して、アクセサリー作りなども行なっていました。2016年からはグラフィックデザインの仕事に専念し、フリーランスのデザイナーとして活動しています。

水島さんは「さまざまな国籍や分野の方と仕事をさせてもらえる環境の中で、コミュニケーションの取り方や自分自身の意見の伝え方なども学んできました。今後はそうした経験を活かしてフリーランスとして仕事をやっていきたい」と思ったそうです。

水島さんの自宅兼仕事場。すっきりと、気持ちのいい空間です。

水島さんの自宅兼仕事場。すっきりと、気持ちのいい空間です。



 

自宅で愛猫と遊ぶひととき。

自宅で愛猫と遊ぶひととき。



 

デザインで世界とつながる

フリーのグラフィックデザイナーに専念してからは、水島さんの作品を理解し、互いに協働して物作りをしていけるクライアントとの仕事に、「やりがいを感じ、とても楽しいです」と語ります。

エコなソーラーランタンのパッケージをデザイン © Mizuki Kin

エコなソーラーランタンのパッケージをデザイン © Mizuki Kin



 

たとえば最近の仕事として、南アフリカのフェアトレード商品である ” SONNENGLAS“ というソーラーランタンのパッケージデザインがあります。これはガラス容器に付いている金属製の蓋の裏側に太陽光を溜める電池が付いており、日中明るい場所に置いておくだけでスイッチひとつで明るく光るライトで、南アフリカの失業者たちが生産するフェアトレードプロジェクト商品です。この商品の新しいパッケージが今年の夏頃から流通する予定で、水島さんはそのパッケージデザインを担当。「文化や世代を超えて、ものづくりによって世界とつながれるのがいいですね」と話します。

そのほかドイツで行われた「アフリカンフードフェスティバル」のポスターデザインや、ヨガ教室のロゴデザインなども担当。いずれも文化やスローライフに関わるジャンルで、水島さんの価値観に共鳴するクライアントです。価値観を共有できるからこそ、いいデザインにつながるのでしょう。たくさんの時間をかけて生み出した作品はクライアントもテーマもそれぞれ異なりますが、「どれも思い入れのある大切な作品です」と言います。

「アフリカンフードフェスティバル」イベントデザインを担当。 © Mizuki Kin

「アフリカンフードフェスティバル」イベントデザインを担当。 © Mizuki Kin



 

ロゴであるアルファベットの組み合わせの変化によって様々なヨガのポーズを表現するデザイン。 © Mizuki Kin

ロゴであるアルファベットの組み合わせの変化によって様々なヨガのポーズを表現するデザイン。 © Mizuki Kin



 

持続可能性を考えるきっかけ作り

水島さんはドイツ人の友人フロリンさんとともに2015年から持続可能なライフスタイルをテーマにしたオンラインマガジンheads up! を発行しています。eat&drink、move、do、see&listen、wear、useの各分野から私たちの生活と環境との関わりについて考えるという内容で、寄稿者の投稿も載せながら不定期で更新中。今後長きにわたって役立つ記事を提供しています。そのコンセプトは、水島さんのデザイン作品に通ずるものを感じます。

heads up! は、このオンラインマガジンの共同創設者であり、編集長をしているフロリンさんが自らの考えを形にしたいという理由からスタートしました。
環境や地域問題をテーマに様々な方面で活動しているフロリンさんはその活動の一環として「これからの時代、環境問題についてもっと多くの人に知識を持ってもらうきっかけを作りたい」と友人の水島さんに声をかけ、共にheads up! を創刊させました。水島さんはクリエイティブディレクターとして、ヴィジュアルコンセプトを担当しています。

ベルリンで暮らしていると、友人たちとの会話やイベントなどなどから、自分たちの地域や環境について考えることがとても身近になります。考えるだけでなく、そこから自分にできることを始める人も少なくありません。

heads up! は現在英語のみで書かれていますが、いずれは日本語にも翻訳したいと水島さんは考えています。興味のある方はheads up! のコンタクト欄から問い合わせてみてください。

heads up! https://www.heads-up.cc/
水島さんのデザイン作品サイト http://a-i-ue-o.com/jp

久保田 由希

東京都出身。小学6年生のとき、父親の仕事の関係で1年間だけルール地方のボーフムに滞在。ドイツ語がまったくできないにもかかわらず現地の学校に通い、カルチャーショックを受け帰国。大学卒業後、出版社で編集の仕事をしたのち、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいと、2002年にベルリンへ渡り、そのまま在住。書籍や雑誌を通じて、日本にベルリン・ドイツの魅力を伝えている。『ベルリンの大人の部屋』(辰巳出版)、『歩いてまわる小さなベルリン』『心がラクになる ドイツのシンプル家事』(大和書房)、『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)、『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)ほか著書多数。新刊『ドイツ人が教えてくれたストレスを溜めない生き方』(産業編集センター)。散歩、写真、ビールが大好き。

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久保田 由希