ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

ドイツにいるドイツ人、日本にいるドイツ人

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ドイツにいるドイツ人、日本にいるドイツ人

みなさま明けましておめでとうございます。本年2019年(ところで新しい元号はどんなものになるのかしら?)もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、人の行き来が多くなっている今の世の中。ドイツに行った日本人から「ドイツに行ってみたら、感じの悪い人が多くてびっくりした」なんていう話を聞く今日この頃です。

 

そのなかには、いきなりドイツに行ったのではなく、日本で長年語学学校でドイツ語を勉強したり、日本でドイツ関連のイベントに行ったりして、それなりに日本国内ではあるものの、「ドイツ人」と長年かかわってきた人もいます。

 

それで「日本で色んなドイツ人と会い、なんとなく『ドイツ』や『ドイツ人』の雰囲気がつかめたかな、と思ったけれど、ドイツ現地に行ったら、感じ悪い人が多くてびっくりした」というわけです。

 

こういう話を聞くと、やっぱり色々と考えさせられます。一概には言えないものの、お店などはやはり日本の基準でいうとドイツのほうがサービスが悪い、というのは確かにありますし、なんというかサービス業の人が日本よりも客に対して「好き嫌い」を見せる傾向にあるので、ドイツで嫌な思いをする時って「強烈に嫌な思い」をすることが多いのです(苦笑)なんだか常識を超えた嫌な思いというのかな。

 

例を挙げると、閉店30分前の洋服屋さんに客が入店した場合、多分日本の店員さんもうれしくはないでしょうけど、顔には出しませんよね。ところが、ドイツの場合は、閉店する少し前に客がお店に足を踏み入れた瞬間、店員さんの目が一回転して「何なのこの客!」と言いたげな表情になることもあるわけです(笑)ドイツのサービスは実は昔と比べると、だいぶ良くなってきているのですが、それでもたまにこういう事は「ある」のでした。

 

 

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もちろんサービス業以外でもドイツ現地で「感じの悪いドイツ人」に出会うことはあります(苦笑)私自身が覚えている感じの悪いドイツ人は、私がかつて通っていたギムナジウムの先生。転校してきた私を同級生が気遣って先生に「サンドラさんはWahlkurs(ギムナジウムの選択講座)で日本語をやってるんですよ!」と紹介をしたら、その先生は吐き捨てるように“Warum denn JAPANISCH?!!!“(「はあ???なんでまた日本語?!」)と言ったのでした。これは我慢できないと思い、その後、例の先生が受け持っていた教科だけを他の先生のいるクラスに変えてもらいました。

 

何が言いたいのかというと、「ニッポンに住んでいるドイツ人」というのは、日本に興味を持っていたり、配偶者が日本人だったりするわけです。あくまでも仕事が理由で日本に来た場合であっても、「日本に来る」という選択はある意味「自分で決めたこと」ですので、程度の差こそあるものの、日本にいるドイツ人は「ある程度は日本が好き」「ある程度は日本に興味がある」人であることが多いのでした。

 

ところが「ドイツ現地にいるドイツ人」は違うわけです。そこには日本に興味のない人、日本が嫌いな人、アジアを低く見ている人、ドイツに外国人がいるのが気にくわない人など、そりゃ色んな人がいるわけです。なので、そもそも日本にドイツ人の数が少ないというのもありますが、確率的には、日本で感じの悪いドイツ人に出会うよりも、ドイツに行ったほうがドイツ人に嫌な目に遭う確率は高くなるわけです(苦笑)逆にいうと、日本にいるドイツ人は、自分で言うのもなんですが、ドイツ現地の一般のドイツ人より明らかに「感じのよい」人が多いです(笑)これ、断言できます。

 

 

 

Portrait of a pretty brunette woman in red santa claus dress showing okay sign and winking over white background

 

 

ところで、私が日本に来た約20年前、日本は「アムラーブーム」でした。ちょうど安室奈美恵が「できちゃった結婚」をした直後で、20代女性は茶髪の率が高かったです。ミニスカートにブーツを合わせ「ギャル」が限りなく多かったと記憶しております。で、安室ちゃんのような格好をしている女性や、「ガングロ」「ヤマンバ」と呼ばれていた女性達を見て私はそれはそれはビックリしたものです。というのは、それまでの私の「日本人との接点」は「ドイツに住んでいる日本人」が多かったからです。そしてドイツに住む日本人に安室ちゃんのような格好の人はいなかったのでした。当時ドイツにいた日本人は、なんというか見た目も人柄も「真面目」な人が多かったです。 で、日本に来て「日本現地の日本人」(←ギャルやヤマンバもいっぱいいました)を見た私は驚いたわけです。

今になって考えてみれば、当時ミュンヘンに住んでいた日本人というのは、クラシック音楽関係者か、領事館関係者、あとはお堅い業種のサラリーマンとその関係者というような感じでしたので、ニッポンの渋谷にいるようないわゆる「ギャル」はいなかったのですね。それはそれで真面目な日本人とかかわることができ私は幸せでしたが、よく考えてみたらそれはあくまでもニッポンの社会の「一部」だったのですね。

 

でも当時はそんなことは分からず、ドイツで出会った日本人を基準に「日本人ってこうなんだ」という印象というかイメージが自分の中で出来上がっていたわけです。そしてそれらの日本人は「限りなく真面目な人達」だったのでした。もし、安室ちゃんのような格好の日本人がバーッとドイツに大勢いたら、ドイツでのニッポン人像もだいぶ変わっていたかもしれません(笑)

 

というわけで、同じ「●●人」といっても、「海外で出会う●●人」なのか、それとも「本国で出会う●●人か」によって、出会うタイプの人もだいぶ変わってくるかもしれません。一概には言えないですけどね。

 

今年2019年で私も来日22年になるので、既に長く日本に住んでいるわけですが、「海外に住んでいる日本人」よりも、「日本国内にいる、いわば『現場』の日本人」のほうが社会の縮図で多様だな、と感じることがよくあります。私はこっちがリアルで楽しいです。そして年が明けて早々、「日本で年を取るのだろうな」なんて漠然とですが考えたりします。ちょっと気が早かったかしら?

サンドラ・ヘフェリン

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン