ドイツ・クリスマスグルメ図鑑
冬のドイツのお楽しみ、クリスマスマーケット(ヴァイナハツマルクトWeihnachtsmarkt)のシーズンがやってきました!ドイツではアドヴェント(待降節)とよばれるクリスマス前の4週間、各地でクリスマスマーケットが立ちたくさんの人で大賑わい。寒さの厳しいドイツの冬を明るく温かい雰囲気にしてくれるクリスマスマーケットは、ドイツの人々にとってなくてはならない大切なものです。
最近は日本でも各地でクリスマスマーケットが開かれ大人気。本場のクリスマスマーケットめぐりを楽しみにドイツへいらっしゃる方ももたくさんいることでしょう。
そこで今回はクリスマスマーケットで味わいたい食べ物図鑑をお届けします!
※地域ブランドとあるのはEUの地理的表示保護制度により地域特産品として登録商品とされているものです。
ワインにシナモンやクローブなどのスパイス、果物を加えて温めたグリューワイン(※ドイツ語の発音はグリューヴァインに近い)。ドイツ人にとって「クリスマスマーケットに行く=グリューワインを飲みに行く」というくらいみんなが楽しみにしている飲み物で、夜や週末ともなるとグリューワイン屋台のまわりは飲みながらおしゃべりを楽しむ人たちでいっぱいになります。
グリューワインは赤ワインでつくられることがほとんどですが、最近はすっきりとした味わいの白のグリューワインも人気です。「Winzer ヴィンツァー」と書かれている屋台はワイナリー直営だったり手作りのグリューワインを販売しているお店。普通のグリューワインより断然おいしいのでぜひ探してみてくださいね。
ドイツのファストフードの定番焼きソーセージはクリスマスマーケットでも人気です。ジュージューと香ばしく焼かれたソーセージを小型パンに挟み、マスタードやケチャップをたっぷり付けてがぶり! ドイツにきたらぜひとも味わってもらいたい食べ物の代表格です。
じゃがいものすりおろしや千切りに小麦粉と卵を加えて揚げ焼きにしたポテトパンケーキ。ドイツ西部ラインラント地方ではライベクーヘン(Reibekuchen)と呼ばれます。リンゴのピューレ、アプフェルムース(Apfelmus)を添えて食べるのが定番。出来立てのアツアツをハフハフ言いながら食べるのが最高です。
ドイツ南西部とフランスの国境に近いアルザス地方が発祥の薄いピザ(フランス語でタルト・フランベ)。イーストを使わない生地を極薄にのばしてつくるため、パリパリとした食感で軽食に最適。サワークリームにベーコンと玉ねぎのトッピングが定番です。ドイツ全土のレストランやカフェで食べられる人気メニューですが、クリスマスマーケットでグリューワインと一緒に食べるのは格別の味!
マッシュルームと玉ねぎをじっくり炒めてパプリカや調味料を加えて煮込んだもの。にんにくやハーブ入りのソースが絡んだ大ぶりのマッシュルームは癖になる美味しさで、日本人にもファンが多い1品です。食パンがそえられるのが一般的。
小麦粉、イースト、 バター、たまごなどを団子状にしてつくられる蒸しパンのようなおやつ。保温容器に並んでいる様子は一見すると日本のコンビニにある中華まんに似ていますが、ドイツでは中にジャムを入れたり、けしの実入りの砂糖やバニラソース、さくらんぼソースなどをたっぷりかけて食べます。
ハチミツと様々なスパイス(シナモン、ジンジャー、コリアンダーなど)、レモンピールやナッツが入ったねっちりとした食感の焼き菓子。砂糖やチョコレートでコーティングされた手の平サイズの丸型が一般的ですが、一口サイズやハート型のジャム入りタイプもあり。日持ちがするのでクリスマスの装飾用にも使われます。お菓子の家「ヘクセンハウス(Hexenhaus)」の土台もレープクーヘン。
レープクーヘンの歴史は古く、砂糖がまだ手に入らなかった中世時代にハチミツを使って修道院で作らたのが始まりといわれています。発祥の地とされるニュルンベルクではナッツをたくさん使った「エリーゼン・レープクーヘン」が名物。
※地域ブランド
アーヘンのクリスマスマーケットのシンボルになっているプリンテン(Aachener Printen)もレープクーヘンの1種で、一口サイズのものからまな板のように大きなものまで形も様々。チョコレートコーティングされたナッツ入りのプリンテンは日本人にも食べやすいと思います。
※地域ブランド
砂糖衣をからめながら焼き上げたローストアーモンド。出来立てはほかほかで、カリカリにキャラメリゼされたアーモンドが香ばしくて絶品!一度食べたらとりこになること必至の人気おやつです。シナモンやバニラ、ジンジャー風味など様々なバリエーションを揃えている屋台もあります。
これまで紹介したのはたいていどこの街でも味わえる定番ですが、その地方ならではのご当地グルメもたくさん。
例えば……
フランクフルトを中心としたヘッセン州の名物として知られるりんご酒、アプフェルヴァイン。フランクフルトのザクセンハウゼン地区にはりんご酒を飲ませる居酒屋が軒を連ねます。クリスマスマーケットではリンゴ酒でつくったグリューワインも登場。
※ヘッセン州のアプフェルヴァインは地域ブランド
ドイツのクリスマス菓子の代表格といえばシュトレン。レーズン、レモンピール、オレンジピールなどのドライフルーツとナッツやマジパン、バターをたっぷり練りこんだずっしり重量感のある発酵菓子です。粉砂糖で白く覆われた形はおくるみに包まれた幼子キリストをあらわすといわれ、アドベント期間中に少しずつ食べるのがドイツの習慣。発祥の地とされるドレスデンのクリスマスマーケットでは大量のシュトレンが売られ、毎年開催されるシュトレン祭りでは巨大なシュトレンが登場します。
※地域ブランド
このほかにもドイツ北部のシーフード、南部バイエルンの豚肉メニュー、オランダに近いドイツ西部デュッセルドルフなどで味わえるオランダ名物、ミニサイズのパンケーキなどなどその土地ならではのご当地グルメが色々。ぜひいろんなクリスマス市をめぐって楽しんでくださいね!
Guten Appetit!!