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人前で寝るのはアリ?ナシ?日独の感覚の違い【睡眠の秋】

©Colourbox.de

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人前で寝るのはアリ?ナシ?日独の感覚の違い【睡眠の秋】

テニスの大坂なおみ選手、全米オープンで大活躍でしたね。大坂選手の能力に驚かされるとともに、優勝後のインタビューには“ほのぼの”しました。何が“ほのぼの”したかって、大坂選手の「抹茶アイスが食べたい」発言です。さらに記者からの「(優勝後の)今晩のお祝いは何?」の質問に対して大坂選手は「寝ること!」と答えていたのですが、この発言を聞いて、大坂選手はとても日本的な感覚な持ち主なんだなあ、と感じました。

 

というのは、ニッポン人は睡眠不足の人が多いにもかかわらず、人との会話の中に「寝ること」がよく登場するのですね。

 

たとえば「週末は何してました?」という質問に、ドイツ人は「パーティーに行ってました」だとか「スノボに行ってました」など、なるべくアクティブな活動をアピールするような答え方をする人が多いですが、ニッポン人に関しては、答えが「週末は寝てました」だったりするのですね。

 

SNSなどの趣味の欄に「寝ること」なんて書いている人もいたりしますし、これは仮にドイツ語に訳したら(“Mein Hobby ist Schlafen.“)かな~りドイツ人からツッコミが入りそうです。

 

そうそう、ドイツ在住のある日本人女性は「今一番したいことは何?」の質問に「日本の実家に帰って、いっぱい寝たいです」と答えていました。まあこの場合は、日本という故郷に帰って、家族に会って、ホッと安心したところで、懐かしいものに囲まれながらゆっくり寝たい・・・というようなことが「日本に帰って寝たい」発言の中に凝縮されているのだと想像してみました。

 

そして面白いのは、日本では人前で寝ることがそれほど失礼にはあたらないこと。

 

でも、ドイツでは「人の前で寝ること」は、まったくもって「けしからん」とされているフシがあります。

 

たとえば私が通っていたギムナジウムでは授業中に寝ていたら、Verweisでしたし(Verweisとは生徒が学校で何かをやらかした時に、学校から親に送られる警告の文書。Verweisが何回も続くと退学になる)、ドイツの学校の先生や大学の教授などは、自分が大事なことを話している最中(つまり授業中)に、同じ空間(つまりは教室)で生徒が寝ているのは、失礼だ!と激怒する人も少なくありません。

 

そう、(一部の)ドイツ人にとって、自分が話している時に、相手に寝られてしまうと、それはある種の挑発を意味するのですね。「私の話がそれほどつまらないのか!!」というような感覚です(笑)

 

ところがどうでしょう。ニッポンの大学ではもちろん寝るのは歓迎はされませんが容認されている事が多いようです。ちなみに、先日お会いしたある日本の大学の教授の方は「最近は、学費を稼ぐためにバイトを掛け持ちしていて疲れている学生も多いから、安易に寝るなって叱れないのよ」と言っていました。しかしそういった事情を措いておいても、ニッポンでは「人前で寝る」ことってそれほど(ドイツほどには)マナー違反ではないのでした。

 

皆さんもご存知かと思いますが、昭和の時代からニッポンの会社というものには、大勢が参加する会議の真っ最中に寝ているオジサンいうものもいましたし、現在も政治家は人前でよく寝ています。そして、歌舞伎を観ながら客が寝てしまうのも、なんと「あり」なのだとか。いつだったか、作家の林真理子さんがコラムに「歌舞伎座での居眠りはひと味違う」というようなことが書かれていて、なるほど、歌舞伎座でも居眠りは「アリ」なんだ、とドイツの感覚を持っていた私はビックリしたものです。

 

ただ、この人前でウトウト・・・はニッポン国内に留めておいたほうがよさそうです。ドイツでこれをやってしまうと、相手に「失礼だ!」と激怒されたり、気を悪くされたり、体調が悪いのかと過剰な心配をされたりしますので避けたいところです。駅や電車などの公共交通機関に関しては、治安の面から寝るのは避けた方が良いという別の理由もあったりしますが・・・。

 

私自身に関しては、夜じゅうぶん寝ているので(笑)昼間眠くなることはあまりないのですが、それでも美容室やマッサージに行くと、、、、やっぱり寝ちゃいますね。

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でも寝ながら、ちゃんとマッサージは感じているんです(笑)

 

そうやって昼寝をした後は、起きた後もすっきりしますし、なんだか得した気分にもなります。

 

なにはともあれ、居眠りの秋・・・いえ、【睡眠の秋】ですし、皆さんもいっぱい寝てリラックスしてくださいね。

 

サンドラ・ヘフェリン

 

P.S. 秋といえば【食欲の秋】でもあります。先日、ドイツで【回転寿司】に行ってきました(笑)その際の「ドイツの回転寿司レポート」をお届けします。

こちらからも、読めます↓↓↓

やたら、いそがしいドイツの回転寿司

 

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン