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フランクフルト出身の伝説的DJ ドリアン・パイク (Dorian Paic) 、来日前インタビュー

Dorian Paic

フランクフルト出身の伝説的DJ ドリアン・パイク (Dorian Paic) 、来日前インタビュー

ブロガーのwasabi( wasabi_nomadik)です。

私が住むベルリンという街には数多くのアーティストが世界中から集結しています。壁崩壊という特異な歴史を持つベルリンは、壁崩壊後の空き地を中心に独特のテクノ&ハウスミュージックシーンを形成してきました。そうして誕生したクラブカルチャーをハブに様々なプロジェクトが生まれ、人種、性別、信条を超えて世界中からアーティストを惹きつけ、そして受け入れるコスモポリタンな土壌を作ってきたのです。

 

こうした背景から「クラブカルチャーと言えばベルリン!」と多くの人は言いますが、実はドイツのテクノ&ハウスミュージックシーンはフランクフルトからも発展したということはあまり知られていません。

 

今回はフランクフルトのテクノ&ハウスシーンの変遷をその目で見てきたフランクフルトの伝説的DJであり、現在ベルリンに在住のドリアン・パイク(Dorian Paic)に直接インタビューをさせていただくことができました。

 

DJの目線から見たドイツのテクノ・ハウスシーンの辿ってきたリアル、そして彼の現在の活動。この2つにフォーカスしてドイツのシーンを紐解きます。

 

Who's Dorian Paic? フランクフルトのレコード好き少年が世界を飛び回るDJになるまで

筆者:今回はインタビューを引き受けてくれてありがとうございます。マンハイムで開催される世界最大級のインドアレイヴ"Time Warp"やクロアチアの"Sonus Festival"などへ出演し、あなたは現在文字通り世界を飛び回るDJとして世界のハウスミュージックシーンを牽引していますが、そもそもDJを始めたきっかけは何だったのでしょうか?そして、現在はベルリンに住んでいますがもともとの出身はどちらでしょうか?

 

ドリアンの自宅でインタビューを実施。

ドリアンの自宅でインタビューを実施。



 

ドリアン:僕はフランクフルト・アム・マインの出身で、長年フランクフルトに住んで活動をしていたんだ。DJを始めるきっかけはレコードショップで店員として働いていた時期。1980年代から1990年代に、フランクフルトには "Dorian Gray" というフランクフルト空港の中にある有名なクラブがあった。そのクラブの中にレコードショップが併設されていて、そこで僕は店員として働いていたんだけど、お客さんがいないときは自由にレコードを聴けたから、それをきっかけに音楽にどんどんのめり込んでいって、DJとしてプレイするようになったんだ。

 

筆者:空港の中にクラブがあったなんて、すごい時代...!レコードショップで働いていたということですが、もともと現在プレイしているようなハウスミュージックに興味があったのでしょうか?

 

ドリアン:音楽は小さい頃から好きで、僕は8歳の頃からレコードを収集し始めたよ。最初に買ったレコードは、たしかロックバンドのKISS。ヒップホップやレゲエもよく聴いていて、そこからテクノやハウスなどのエレクトロミュージックに傾倒するようになった。

 

DJ Dorian Paicの家

ドリアンによれば、彼の収集したレコードは現在8,000枚にのぼる。



 

ドリアンのレーベル「raum...musik」設立の経緯

筆者:90年代のフランクフルトはDorian Grayの存在もあり、パーティーは大きな産業だったと見て取れるのですが、あなたが今主催しているレーベル "raum...musik" もその頃に結成したのですか?

 

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ドリアン:レーベルは1998年に、FREEBASE Recordというフランクフルトの伝説的なレコードショップのファウンダーであるOlaf Zernによって設立されたんだ。その3年後の2001年に僕がレーベルに加入し、Olafのパートナーがレーベルを去ったことをきっかけに僕が中心的にレーベルの業務を任されるようになった。2004年から今日に至るまでの14年間、僕はレーベルでA&R (アーティストリレーション)を担当している。そして今年はraum...musikの20周年記念なんだ。

 

筆者:すごい歴史あるレーベルですね。raum...musikのアーティストを知らない人のために、おすすめの所属アーティストを何人か教えてくれますか?

 

ドリアン:レーベルにはRicardo Villalobos、Federico Molinari、John Dimas、Franco Cinelli、Lee Burton、Jorge Savoretti、Phill Evans、Enrico Mantini、Andy Kolwesなど現在のハウスミュージックシーンを牽引するアーティストが名を連ねていて、皆素晴らしいDJをするのでぜひ聴いてほしい。

 

今年はレーベル20周年記念!ドリアン来日決定

筆者:あなたは過去に何度も日本へ来日公演を果たしていますが、日本で楽しかったことはなんですか?

 

ドリアン:日本は食べ物と買い物が最高!特に、日本はレコードが種類豊富なので毎回日本へ行くときはレコードショップ巡りに夢中になるよ。

 

筆者:それは嬉しいです。そして、今年は3月30日に大阪ALZARで来日公演、翌31日はCIRCUS TOKYOでの公演が待っていますね。久しぶりの日本ですが、日本のファンに向けてなにかメッセージをください!

 

ドリアン:今回、レーベルの20周年記念で来日することが決まって本当に嬉しいです。実は10周年記念の際にも日本でイベントをやって、すごく楽しかった思い出があります。またみなさんに会えるのが本当に楽しみです。そういえば、まだあのときに日本で限定発売されたCDがまだあったかな。ほら!

 

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現在は入手困難な10周年CD。



 

筆者:わぁ〜!日本語だ!これ、かなり貴重なのでは?

 

ドリアン:もう出回っていないから、ここにあるだけだね。あれから10年、あっという間だったなぁ。今回の20周年イベントは自分にとってもすごく感慨深い。ぜひ、たくさんの人に遊びに来てもらいたいです。

 

筆者:私もこのイベントのために日本へ一時帰国します!ドリアンのプレイはベルリンとフランクフルトでしか見たことがないから、日本のオーディエンスと一緒に楽しむドリアンのDJがすごく楽しみです。今回は来日前にお話できてよかったです。ありがとうございました!

 

Dorian Paic来日!東京と大阪公演の詳細 [3月30日〜3月31日]

東京詳細:

20 Years of Raum Musik.

2018年3月31日CIRCUS TOKYO

OPEN:22:00〜

DOOR:3,000YEN / (エントランスで「wasabiのゲスト」と伝えると500円OFF!

ドリアンのレーベル「raum...musik」の20周年を記念して現在世界中で行われているアニバーサリーパーティーの一環として東京でも開催!

ツアー詳細
20 Years of Raum...Musik. in Tokyo

Dorian Paic (raum...musik.Cocoon) from Berlin, Germany
CHAMPA (Repile)

Lounge Floor
NAO
enokidake
DJ MIZUKI

※20歳未満の方や、写真付身分証明書をお持ちでない方のご入場はお断りさせて頂いております。
※Must be 20 or over with Photo ID to enter.

詳細:Facebookページ

 

大阪詳細:

大阪ALZAR ONE Dorian Paic
 

OPEN 22:00pm-
DOOR:3,000JPY incd.1d | ADV:2,000 JPY incd.1d

金曜日のALZAR のフィーチャーイベント"ONE"。今回はRaum...musikのボス、Dorian Paicを招いての開催が決定!

ドイツ拠点のDorian Paicは、Olaf Zernと共にハウスミュージックレーベルRaum...musikを運営する傍ら、Robert JohnsonやCocoonといった名門クラブのレジデントDJとしても活動するアーティスト。今回約8年ぶりの大阪公演となる。

DJ:
Dorian Paic
YASHIMA
Shirakawa
ASAURA
Naoya

詳細:Facebookページ

 

wasabi

1991年7月1日生まれ東京出身。(本名:藤沢祐子)2014年獨協大学卒業後、新卒でフリーランスの日英翻訳家/ライターとして2015年春にベルリンに拠点を移して活動。現在は翻訳家・ライターとして各種メディアやブログを中心にドイツ移住情報やテクノロジーを使って楽しく生きる自身のノマドなライフスタイルやオピニオンを発信中。2016年2月にはTEDx Youth@Kobeへの登壇も果たし、自身のメッセージを国内外共に精力的に伝えている。

Blog : http://wsbi.net/

wasabi