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検索がきっかけでベルリンの音楽関係会社に就職 村上杏奈さん

好きな音楽でベルリンの会社に就職した村上杏奈さん

好きな音楽でベルリンの会社に就職した村上杏奈さん

検索がきっかけでベルリンの音楽関係会社に就職 村上杏奈さん

ドイツに移住し、就職したい。そう考えている人も多いのではないでしょうか?

でも言葉や技能などを考えると、なかなか実行に移せない人もいると思います。

今回はベルリンで就職活動を行い、今年1月から音楽関係会社で働き始めた村上杏奈さんにインタビューして、就職までの道程や現在の仕事内容について、詳しくうかがってきました。

 

海外への夢をあきらめきれず、ワーホリでベルリンへ

 

大学の英文科を卒業した村上さん。在学中は留学をしたかったそうですが、何となく勇気が出なくて日本で就職をしました。

卒業後に就いた仕事は、ラジオ番組制作のアシスタントディレクター。番組で英語を使う機会に恵まれているうちに「やっぱり海外に行ってみたい、今を逃したらもう行けないかもしれない」という思いが募って、ワーキングホリデー制度を使うことを決心したそうです。

行き先はベルリンに決めていました。

仕事柄ベルリン在住音楽アーティストの話を聞くことが多く、別の街や国から移住したアーティストたちが、ベルリンを気に入っていることに興味を持ったからでした。

2015年5月にワーキングホリデービザを取って実際に訪れてみた印象は「多様で、何でもありのような雰囲気」。街の魅力に引き込まれていきました。

日独間のコーディネートが村上さんの主な仕事

日独間のコーディネートが村上さんの主な仕事



検索がきっかけで就職へ

 

ベルリンが気に入り、ここで働きたいと思った村上さんは、ワーホリ滞在中に就職活動をスタート。

「音楽関係の仕事をしたかったので、まずは検索してみたんです。”music” “Berlin” “job”という単語を入れてgoを押して(笑)。それで見つけたのが今の会社です」

村上さんが働くTracks & Fields社は、広告や映画に使用する音楽を制作・コーディネートする会社。「こういう形で音楽に関わる仕事もあるんだ」と、村上さん自身も初めて知ったそうです。

さっそく履歴書を送ったものの、何の返事も届かないうちに1年間のワーホリの期間が過ぎて、日本に帰国することになりました。

ところが、ワーホリを終えて日本で働いていた村上さんのもとに、会社から面接をしたいと返事が来たのです。

履歴書を送ってから1年が過ぎたときに、突然届いた返事。後からわかったことですが、そのとき会社はアジア市場への進出を考えていて、村上さんが送っていた履歴書が注目されたのでした。

面接はスカイプを利用して2回行われました。どちらも約1時間程度で、履歴書の内容や会社に興味を持った理由、聴いている音楽や、広告に使う音楽の提案といった内容について聞かれたそうです。

そして、面接から1ヵ月後の2016年1月に再びベルリンへ渡り、入社。社員として働くので、滞在許可と労働許可も会社を通して取ることができました。

「行動しなければ何も始まらないものです。履歴書を送っていて本当によかったと思いました」

明るくオープンなオフィス

明るくオープンなオフィス



ドイツ人と日本人は似ている? 働きやすい職場

 

村上さんの主な仕事は日独間のコーディネートや翻訳作業で、アジア出張も入ります。

勤務時間は、10時からお昼休み1時間を挟んで19時まで。具体的な仕事は毎日違いますが、通常は毎朝メールチェックや全体ミーティングをしてその日の進行を確認し、スカイプや電話、メールなどでクライアントと連絡を取り合います。

12月は繁忙期だそうですが、それでも基本的に休日出勤や残業はせずに、誰もが就業時間中に集中して仕事を終えて帰宅しているそうです。みんな自分の時間が大切なので、時間内に終えられるような仕事のやり方をしているのでしょう。

社員は全員で10名おり、そのうち5名がドイツ人。あとはフランス、オランダなどEU圏の人々で、アジア系は村上さんひとりです。インターナショナルな構成なので、社内の言語は英語です。

ボスを含めた職場のドイツ人は、調和を大切にしたり、相手の出方を見る点が日本人と似ていると感じるのだとか。ドイツと日本はともに自動車産業が強く、広告などの仕事に求められる音楽ニーズも理解しやすいそうです。

この一角にオフィスがある

この一角にオフィスがある



 

ワーホリでインターン、就職へ 

 

村上さんに日本でのラジオ番組制作経験があり、英語もできたという点は、ドイツでの就職に大きなポイントになったと思います。村上さんも、ドイツでの就職活動に職務経験は必要だと話します。

言葉は勉強すれば一定のレベルまで上達できるでしょうが、経験はどのように積んだらいいのでしょうか。

「たとえば今の会社では、ミュージックチームがよくインターンを募集しているんですが、若ければそれに応募するのがいいと思います。ドイツではインターンのほかに、Ausbildung(職業研修制度)もあるので、このどちらかをやって就職へつなげていきます」

村上さんも入社前のワーホリ時代に、ベルリンのオンラインラジオ放送局でセッティングなどの手伝いをしていました。その経験も就職に役立っています。

ドイツでの長期滞在や就職を考えているのなら、その入り口としてワーホリ制度を使うのはおすすめです。

ワーホリならビザも取りやすく、ドイツで働くことも可能。年齢制限や滞在期間などの制限はありますが、ドイツに興味があるならぜひ利用してほしい制度です。

「ワーホリで滞在して後悔している人を見たことがないんです」という村上さんの言葉にも勇気づけられるのではないでしょうか。そこから直接就職につながらなかったとしても、ドイツで得た経験は無駄にはならないと思います。

ワーホリからチャンスを掴んだ村上さんは、毎日が新たな経験の連続だと話します。

「好きなことを仕事にできて幸せですね。周りもそういう人たちばかりなので、仕事への熱意が感じられます。今はたくさんの経験を積みたいですし、それが楽しいです」

 

 

久保田 由希

東京都出身。小学6年生のとき、父親の仕事の関係で1年間だけルール地方のボーフムに滞在。ドイツ語がまったくできないにもかかわらず現地の学校に通い、カルチャーショックを受け帰国。大学卒業後、出版社で編集の仕事をしたのち、フリーライターとなる。ただ単に住んでみたいと、2002年にベルリンへ渡り、そのまま在住。書籍や雑誌を通じて、日本にベルリン・ドイツの魅力を伝えている。『ベルリンの大人の部屋』(辰巳出版)、『歩いてまわる小さなベルリン』(大和書房)、『かわいいドイツに、会いに行く』(清流出版)、『きらめくドイツ クリスマスマーケットの旅』(マイナビ出版)ほか著書多数。新刊『心がラクになる ドイツのシンプル家事』が大和書房より発売になったばかり。散歩、写真、ビールが大好き。

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久保田 由希