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アクティブな妊婦が集まるマタニティーヨガ “仲間”と共にストレッチ、トレーニング、リラックス

マタニティーヨガはドイツでポピュラー。出産準備家庭向けフリーマガジンにも、毎回ヨガ+αのポーズやトレーニング方法が掲載されている Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

マタニティーヨガはドイツでポピュラー。出産準備家庭向けフリーマガジンにも、毎回ヨガ+αのポーズやトレーニング方法が掲載されている Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

アクティブな妊婦が集まるマタニティーヨガ “仲間”と共にストレッチ、トレーニング、リラックス

連載「アクティブ ドイツ!」<14>

スポーツ観戦、取材、旅行と比較的出歩くことが多い生活を送ってきましたが、わたし、実はいま妊娠7カ月後半。出かける機会が控えめになったほか、ランやライド(サイクリング)といったスポーツも5月以降めっきり減って、月1〜2回する程度です。体調を見つつ生活するしかないとわかっていても、体が凝って仕方がない。そこで始めてみました、マタニティーヨガ!

妊婦でも恵まれたアクティビティ環境


わたしは今回が初めての妊娠です。ドイツ語での情報収集に不安もあって、妊娠がわかってからマタニティーライフのガイドブックのような本を日本からいくつか取寄せました。そこには、「(危ないので)自転車には乗らないこと」といった注意書きがたくさん。ところがドイツの婦人科医のもとへ通うようになってすぐ、担当医から「ランニングもサイクリングもスイミングもOKよ! 特にサイクリングは妊婦のお腹を突き出す姿勢の逆(前傾姿勢)になるからおすすめ」とアドバイスをもらいました。「日本とは随分考え方が違うなぁ」と驚いたのを覚えています。

ドイツで妊婦のアクティビティの機会が多いのはマタニティーヨガにおいても同様で、ドイツ語で「妊婦向けヨガ」(Yoga für Schwangere)とGoogle検索すると、1,460万件もの結果が表示されます。薬局や病院で配布されているフリーマガジンにも、毎回ヨガ+αのポーズやトレーニング方法が写真付きで掲載されていますよ。わたしの住むドルトムントではマタニティーヨガは通常のヨガ教室で週1〜2枠開催されていますし、ヘバメ(Hebamme、助産婦)による助産院や産科のある病院にもコースが用意されています。

一方、日本語で例えば「妊婦向けヨガ」「マタニティ(ー)ヨガ」などと検索するとヒット数は最大およそ190万。キーワードの選出方法によってもヒット数が異なるためこれが両国の違いとは一概には言えませんが、日本と比べドイツではマタニティーヨガがよりポピュラーであることがわかります。


助産院が提供するマタニティーヨガに参加


いくつか検討した結果、わたしは木曜夕方のコースがあった助産院のマタニティーヨガに参加することにしました。費用は5回で60ユーロ(約8,000円)。「持ち物は特にないので、動きやすい服装で来てください」ということで手持ちのヨガウェアを着てとりあえず水とタオルを持参すると、教室にはすでにヨガマットが敷かれていました。駐車したクルマのキーと財布だけを手にした参加者もいましたよ。

助産院の入り口では、マタニティーヨガ参加の女性たちがおしゃべり。情報交換の場としても活用されている様子 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

助産院の入り口では、マタニティーヨガ参加の女性たちがおしゃべり。情報交換の場としても活用されている様子 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



1回の参加者は12人。皆お腹の大きさはまちまちですが、それぞれそんなお腹でも着られるスポーツタイツやヨガウェアらしい服装に身を包んでいました。わたしを含め、全員なにかしらのヨガを経験済みとのこと。年齢は20代中盤〜30代といったところでしょうか。

インストラクターのティナは、マタニティーではない通常のヨガやアクアビクスのインストラクターもしている落ち着いた雰囲気の女性です。出産の経験があるティナは、マタニティーヨガではお腹の赤ちゃんとママのことを考えながらわたしたち参加者に語りかけ、ポーズを導いていきます。

マタニティーヨガの教室内の風景。1回の参加者は12人。夕方の回は自然光を明かりにして行なわれ、BGMはポーズに合わせあったりなかったり Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

マタニティーヨガの教室内の風景。1回の参加者は12人。夕方の回は自然光を明かりにして行なわれ、BGMはポーズに合わせあったりなかったり Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



ティナのマタニティーヨガを体験して、3つの点で妊婦にメリットがあるなと感じました。ひとつは、体をほぐすため。わたしが凝りを感じたように、皆運動不足気味。深く呼吸をしながら日常生活では使いづらい箇所をしっかりと伸ばし、動かすことができるヨガは妊婦にもぴったりです。

ふたつめは、トレーニングのため。トレーニングは、健康を維持し、出産を乗り越えその後のリカバリーを順調にする体力をつけるためにとても大切ですが、お腹が大きくなりいつもの自分の体とは違う状況で自己流でトレーニングを進めるのはなかなか難しいものです。少し大変なポーズも、皆と一緒にふぅふぅ言いながらこなせるって結構楽しいですよ。

最後にして1番のメリットかもしれないのが、精神的にリラックスするため。妊婦になると体型・体質は変わり、いつもできていたことができなくなるなど、毎日些細なストレスや不安がいっぱい。体を動かすことで得られるリラックス効果に加え、同じように赤ちゃんを抱える“仲間”と共に、静かに、あるいは時にリラックスミュージックが流れる中に座り、深呼吸をする。幸せを再認識し、希望に包まれる素晴らしい時間です。


お気に入りのポーズを紹介


そんなマタニティーヨガで、わたしがお気に入りのポーズを少し紹介します。教室ではわたしも集中してヨガをしているので写真を撮っている暇はありません。自宅で復習がてら再現してみました。

まずはメリットのひとつとして挙げたリラックスのための、わたしが最上級だと思うポーズ。ヨガマットにあぐらをかき、呼吸を整えます。この時、骨盤を立てるように背筋を伸ばしておしりをピッタリとヨガマットにつけるように座るのがポイント。またクッションや座布団などで少し高さを出すと座りやすくなります。片手を心臓へ、反対側の手を赤ちゃんに当て、目をつぶり深く呼吸をしましょう。このポーズの最中教室では、「仕事の疲れや日々のストレスを忘れ、赤ちゃんと“いま”ここにある幸せを感じて」というティナの呼びかけが優しく響いていました。

リラックスできる最上級のポーズ。片手を心臓へ、反対側の手を赤ちゃんに当て、目をつぶり深く呼吸 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

リラックスできる最上級のポーズ。片手を心臓へ、反対側の手を赤ちゃんに当て、目をつぶり深く呼吸 Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA



よく歩くようにしていても、肩〜背中はどうしても動かしにくい箇所。そこに効くのが、腕を交差し上げるポーズです。足を肩幅に開いて立ち、両腕を直角に立てて前へ。そのまま左腕を右腕の下に通し、左指を右手の平にかけるようにして交差します。そのまま両腕をゆっくり上へ持ち上げると、肩〜背中がじんわりと伸びてとても気持ちいいですよ。妊婦でなくとも、仕事での座り疲れや長時間の運転時に効果的かもしれませんね。常に呼吸を忘れずに、反対方向も同様に。



地味ながらも運動不足&むくみがちな足に気持ちいいのが、足指の動き。足を肩幅程度に開き、指の間を広げます。親指の付け根は床につけたままのイメージで全部の足指を持ち上げ、小指側から親指側へ徐々に床へおろしていきます。これを数回繰返します。意外と難しい動きなので、教室では皆で真剣になってやっていましたよ(でも呼吸は忘れずに)。

足指の間を広げ、全部の足指を持ち上げ小指側から親指側へ徐々に床へおろしていく Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

足指の間を広げ、全部の足指を持ち上げ小指側から親指側へ徐々に床へおろしていく Photo: Aki SCHULTE-KARASAWA

シュルテ柄沢 亜希

Aki SCHULTE-KARASAWA ● 1982年生まれ、ドイツ・ドルトムント在住。フリージャーナリスト。執筆ジャンルは自転車・アウトドアアクティビティ、スポーツ、旅、食、アート、ライフスタイルなど文化全般。幼少期の5年間をハンブルクで過ごしたことがアイデンティティのベースにある。好きなものは、ビール、チーズ、タマゴ――ワイン、日本酒、ウイスキーも大好き。ランニング、ロードバイクライドにてカロリーを相殺する日々。ブログ「ドイツのにほんじん」に日記をつけ、産経デジタル「Cyclist」、三栄書房「GO OUT」などで執筆中。

シュルテ柄沢 亜希