YOUNG GERMANY ドイツ発 ライフスタイル・ガイド

ドイツ人と英語と語学と私

ドイツ人と英語と語学と私

どうも。2週間連続でザールブリュッケンに鈍行列車で帰るという偉業を達成するBonn留学中の石川です

 

さて授業も始まりまして私は現地の学生に混ざって日本学(Japanologie)の授業と英語学科(Anglistik)で言語学の授業を取っています。私の副専攻は応用言語学と話しましたが、その中でも第二言語習得と異文化コミュニケーション学が好きです。上智にいた頃も英語学科(通称外英)で英語の授業を取っていました。だからこの授業は上智の学習に戻るためのリハビリ感覚です。(ボンの先生に怒られそう...)

 


でも今日私が気になったのは忙しいアピール、ではなくドイツ人の英語です。ドイツ自体外国人がものすごい多いし、輸出産業が盛んですので海外との交流も世界トップクラスです。留学生も日々勉強に励んでいます。(私はそれを横目にMinecraft)「日本人は英語ができない」というのが世界的な通例らしいですが、ドイツ人はどうなのか、ボンとザールブリュッケンを見て考えてみました。


先に結果を言ってしまうとドイツ人は「非英語圏で最も英語が使える国籍の一つ」です。ボンはもちろんザールブリュッケンのおばちゃんとかも日常会話ぐらいはできる人が多かったです。おばあちゃんの方はさすがにザールラント語しかわかりませんでしたが...本屋に行っても英語の書籍は多かったりします。

町の英語表示こそ日本よりは少ないものの、道行く人を捕まえれば、とりあえずどこかにはたどり着ける感じですね。



大学生はさらにデキる人が多く、英語を話すとドイツ人かどうかわからなくなる人もそれなりにいます。

実際に世界的に有名な英語運用能力試験" TOEFL"を運営するアメリカの"ETS"が2016年に行った調査によると、ドイツ人の"TOEFL iBT"の平均スコアは120点満点中97点とヨーロッパではオランダ、スイス、オーストリア、デンマークに次ぐ高水準でした。(日本は71点...がんばれ、私も)私の元タンデムパートナーも100点所持者です。

ETSのデータはこちら

実際アメリカからボンに交換留学をしている人も「ドイツ人は英語が上手くてびっくりする」や「どこでも英語が通じる」というお褒めの声を頂いております。



ちなみにドイツ人にどうして英語ができるのかと質問すると、大体「ドイツ語と英語は似ているから覚えやすい」という答えが返ってきます。実際にドイツ語と英語は同じゲルマン語派(言語の種類)なのですが、言語習得の点から見ると、英語が母語の人はドイツ語よりも、違う語派のフランス語の方が習得が早いというデータもあるので必ずしもそれだけではないと思います。あとドイツ語には英語にない「名詞の性」、「2種類の目的格」など様々な要素があるので、必ずしもすごい似ている言語ではないんです...

そこで私が個人的に感じた理由は「英語に触れる機会が多い」ということです。小学校1年生から英語の授業が始まり(ザールラントはフランス語もあるので3年生からのことも)、かなり勉強させられるイメージです。教科書を見ても、大学進学だけではなく就職をする人にも英語力を要求されています。

あと友人はredditや9GAGやYouTubeなどの掲示板やSNSを英語でしていることが多かったです。実際私が引きこもっていた時、四六時中ネットで「海外の反応」を見ていたのですが、英語サイトや英語動画でもドイツ人のコメントは多かったです。友人曰く「英語の方が面白い情報が集まりやすい」そうで日本のアニメの情報も英語で入手していました。

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基本的にはドイツ人の英語はすごいレベルが高いですが、コンプレックスを持っている人もかなりいると感じます。移民のバックグラウンドを持つ人は家族とドイツ語以外の言語を話す場合が多いので、英語は図らずも第三言語になります。その分英語の勉強にかかる負担も増えるそうです。友人の家族は大体ロシア語、ポーランド語、トルコ語などゲルマン語派以外の言語を話していたので、ドイツ人の英語能力を調べるにはドイツ語と英語の比較だけでは足りないなと日々感じます。

先祖代々ドイツ出身の人の中でも、話す教育をそこまで受けなかったので自分が話すドイツ訛りが強い英語を嫌と思ったりもするそうです。あとやっぱり話題の違いでネイティブ同士の会話にはついていけないなど多かれ少なかれ悩みはあるみたいですね。個人的にドイツ人はよくストレートすぎる英語の表現を使うのが気になったりします。(お店の人が”Must”をお客さんに使ったり、何も言わずにすぐ話題を変えるなど...)

一度行った結果に付け加えるとしたら、「ドイツ人は英語はすごいできるけど問題ももちろんある」ということです。

だから何が言いたいかというと、語学に関するコンプレックスはみんな持ってるからみんな気にせず英語をしゃべろうということで...お後がよろしいようで。ではでは

29. April 2017 石川輝

上智大学ドイツ語学科学生チーム

上智大学外国語学部ドイツ語学科在籍中の大学3年生(2017年4月現在)。  三竿 佑莉 (2016年秋学期Paderborn留学。2017年春学期はHeidelberg 留学中)、 山田大幹 (2016年秋学期Essen-Duisburg留学。2017年春学期はKöln 留学中)、 石川輝  (2016年秋学期Saarland留学。2017年春学期はBonn 留学中)、 T.Y (2016年秋学期から2017年春学期までBayreuth留学中)

上智大学ドイツ語学科学生チーム