ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

ドイツ人の恋愛

ドイツ人の恋愛

先日、日本のお見合いや婚活について書きましたが、今回はドイツの恋愛の話!

 

そう、ドイツ人の女性はどういうふうに(←こういう言い方も変なのかもしれませんが…)恋愛しているのか?というお話です。

 

当たり前ですが予めお断りさせていただくと。

 

人生いろいろであるように、人間もいろいろ、よってドイツ女性の恋愛だっていろいろです。

 

それをふまえた上で、あくまでも私サンドラがドイツ人女性の恋愛(そして時には自分の恋愛も!笑)を観察してきた上で感じたことを書かせていただきます。

 

・・・ドイツ人女性と日本人女性の恋愛の仕方や恋愛観について思うのは・・・日本人のほうが「段取りをキチンと計画&計算して恋愛や結婚をしている人が多い」ということ!ええ、もちろん日本にだって計画をしない人だっています。でも、「20代のうちに結婚して、30までに子供を産みたい!」という意見や発言も日本では比較的頻繁に聞かれます。ヨーロッパ的な感覚からいうとまさに「計算」ですね。

 

日本人女性の場合、「何歳までには結婚したい」とか「何歳までに子供を生みたい」というのがまずあって、それを逆算して、「私は今●●歳だから、今はこういう人とは恋愛すべきではない」とか「こういう人と恋愛をしよう」という思考になることが少なくありません。そのほかにも、「親が今●●歳だから、親になるべく早く孫の顔をみせてあげたい。そのために私は・・・」などと計画をする人も日本には(ドイツと比べると)多い印象です。無意識的に「計画」をしている場合も多いように感じます。あんなに「突発的」だと言われる「できちゃった結婚」だって人によっては、ちゃあんと計算の元だったりします。(←まあこれは日本に限った話ではないのかもしれませんね。)

 

さてクドクドと前置きが長くなりましたが、ドイツ人女性の恋愛の話!

 

ドイツ人女性にとって恋愛においてもっとも大事なのは「本能」という部分のように感じます。「本能」というと動物的に聞こえるのですが、ずばり「相手との将来を考えられるか?」と自分に問いかけた時に、職業や安定性などといったものよりも、ぶっちゃけ「その人のにおいが好きか?」などが判断基準になるわけです(笑)これ、ホントですよ。ドイツの言い回しに“Ich kann den nicht riechen.“(和訳:「あの人のにおいをかぐのも嫌だ」)という言い草があるぐらいですから(笑)

 

ドイツでは人間関係を表す言葉に“Die Chemie muss stimmen.“(Chemieの和訳は「化学」ですが、もちろん化学のお話ではなく、「相手とはにおいも含めた相性なるものが合わないとダメ」という意味です)ということが言われていますが、恋愛に関しては更にそういったものが重要視されますね。日本の感覚で言うと、なんだか生々しかったりするんですけどね。

 

面白いのは、ドイツ人女性と女子トークをしていると、「男性の身体」に関する発言がよく出てくること(笑)

 

たとえば「どういう男性が好き?」と聞くと、“Er muss sportlich sein, einen gut trainierten Körper haben, und…“などと続きます(和訳:「スポーツができて、鍛え抜かれた身体をしていて、そして・・・」)。“Einen gut trainierten Körper haben“(鍛え抜かれている)とか“muskulös“(筋肉ムキムキの)などといった言葉がよく出てくるのですね。あと「お尻の形がいい人が好き!」とか(笑)アカデミックで真面目な女性がこういう事を大真面目に言うので、(日本の感覚で聞いていると)面白いですよ。

 

ここまでハッキリお尻!筋肉!とは言わない女性であっても、ドイツの場合「包容力」など「男性的なもの」を求める女性が多いようです。そして、その「男性力」というか包容力には経済的なものも含まれているのかもしれませんが、どちらかというとその人の雰囲気だとか、立ち振る舞いだとか、その人の発している「オーラ」を指すことが多いのですね。

 

まとめると、ドイツ人女性のほうが日本人女性よりも恋愛やパートナー選びにおいて「本能」を大事にしている感はやっぱりありますね。(※注:全員ではありません)

 

ドイツの女性誌の記事でも「どういう男性が好き?」というアンケートが載っていますが、上記のような、「男性的な体つきをした人が理想」だとか、わりと性的なものをにおわせる回答が多くて、読んでいると面白いです。

 

・・・男性にとっては日本とドイツ、どっちのほうが「タイヘン」なのかな?なんて想像してみたりしますが・・・なんかどっちもタイヘンかも!なんて思いました(笑)

 

preview_COLOURBOX3404766日本の場合、女性側の理想が「結婚に結びつけるなら男性は正社員(か社長)じゃないとダメ」「経済力がないとダメ」「安定した収入が無いとダメ」、そして結婚に至った場合には結婚式場も指輪もそれなりの値段のものが求められがちなので、男性にとって「経済面のプレッシャー」は日本のほうが(ドイツより)強いと思います。

 

けど、ドイツで求められているような「背が高くってスポーツができて筋肉があって包容力があって・・・」という「男性全開」の男性が求められるのも、これはこれでそういう要素を満たさない男性からしてみれば厳しい世界なのかもしれません。

 

それにしても思うのは、あれだけ感性というか自分の直感を大事にして、つまりは本能的な部分(「男性ちっく」なオーラなど)で相手を選んだのに、別離や離婚があれほど多いのはなんでなんでしょうね?@ドイツ。このあたりの事を突き詰めるとなんだか深刻な内容になりそうなので今回はこのへんで。

 

・・・恋愛トーク、まだまだ続きます!

 

次回は「同棲」について書きます。(「同性」や「同姓」ではないですよ。それについても、いつか書きたいですけど)

 

では、みなさんまた次回!

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン