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「あの時」はいつ?

ⒸGerman Embassy Tokyo

「あの時」はいつ?

Young Germany Japanでマライさんが紹介、絶賛してる映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』を鑑賞。
マライさんの記事はこちら⇒「映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』:神の見えざる手に我々は何を見るべきか!

あまり映画を見る方ではないんだけど、ドイツ映画と聞くとどうしても戦争、とりわけ第二次世界大戦が絡んでくる気がする。
大戦後の東西分裂による悲劇もまた然り。
タイトルからわかる通りこの映画も第二次世界大戦が絡んでいて、このヒトラー暗殺事件は1939年11月8日に実際にあった史実。

「11月8日」は1923年にヒトラーをはじめとするナチス党員が参加したドイツ闘争連盟がクーデターを起こした所謂「ミュンヘン一揆」の日で、これは未遂に終わりヒトラーたちは逮捕。
その後ナチスが政権を握ると、ヒトラーは毎年この日に「ミュンヘン一揆」を回顧する演説を、事件のあったミュンヘンのビアホール「ビュルガーブロイケラー(Bürgerbräukeller)」で行っていたんだ。

事件のあった1939年といえば9月にナチスドイツがポーランド侵攻し第二次世界大戦が始まったとされる年。
主人公のゲオルク・エルザーは勿論実在の人物で、この年の11月8日のビュルガーブロイケラーでの演説時にヒトラーを暗殺することを計画して何日も前からこのビアホールに通い詰め建物の構造を調べ、周到な計画のもと器用に爆破装置を設計・製作・設置。
ゲオルク・エルザーの爆破装置は計画通り作動したものの、当日ミュンヘンの天候が悪く飛行機での移動ができなくなった為演説が13分早く打ち切られヒトラーは延命。
しかし爆破装置は時間通り爆発、設計通りの威力でその場に居合わせた8名が死亡したんだ。

映画の宣伝で「あの時、目を開けていたのは僕だけだった。」とあって、映画を見ながら「あの時ってどの時だろう?」って思っていたけど、実際にその様な場面は現れず(拷問の時に見開いた「目」の映像が出てくるけど・・・)、「僕だけ」とあるので「目を閉じている他の人」が出てくるはずだと思って観てたけどそれが無い。

でも映画を見終わってこう思ったんだ。
「あの時」とはナチスドイツが戦争に向かおうとしている時、人々が盲目になってしまっていた時のことを指しているんじゃないかと・・・

映画は勿論ドイツ語で日本語の字幕付き。
ドイツ語のセリフもどっかで聞いた様な単語が聞き取れて、字幕と合わさってドイツ語の勉強にもなります♪
映画の中で主人公Georgは字幕で「ゲオルク」と表記されてたけど、実際には「ジョーシュ(?)」みたいに聞こえた・・・

そしてゲオルク・エルザーが恋をした人妻の名前が「エルザ」って、ややこしくニャい?
もし2人が結婚したら奥さんはエルザ・エルザー?=^_^;=

この映画の英語のタイトルは「13 Minutes(13分)」、ドイツ語のタイトルは「Elser – Er hätte die Welt verändert(エルザー − 世界を変えることができた男)」。

思わず目を覆いたくなる拷問のシーンや、国情の変化で人々も変化していく様が観ていて恐ろしかった・・・

ドイツ人監督(オリヴァー・ヒルシュビーゲルさん)がメガフォンを取ったということも何か考えさせられたこの映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』、あなたはどんニャ感想ですかニャ?=^_^=

(24. Oktober 2015)



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