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ワーホリから現地就職へ!「アウスビルドゥング」を利用する高田マナさんの例

高田マナさん

ワーホリから現地就職へ!「アウスビルドゥング」を利用する高田マナさんの例

みなさんこんにちは!

突然ですがみなさんは「Ausbildung(アウスビルドゥング)」というドイツの制度をご存知ですか?もしかしたらドイツへのワーホリや移住をお考えの方は聞いた事があるのではないでしょうか?

Ausbildung(アウスビルドゥング)とは日本にはないドイツ独特の制度で、日本語にすると「職業教育」という言葉がそれに当たります。アウスビルドゥングは職人を大切にするドイツならではの制度で、技術職に就く人は日本人を含め、自分で研修先を見つければ誰でも受ける事ができます。

今回はワーホリからのステップアップを果たした好例として、今年の9月からこのアウスビルドゥング制度を利用する高田マナさんにお話を伺いました。

マナさんは音大を卒業後、日本でピアノの講師をしていました。大好きな音楽を極めようと、またかねてからの夢であった海外生活を実現するためにドイツの大学へ入る事を思い立ち、まずはワーホリビザを申請しました。

行き先はベルリン。イラストレーターとして既にベルリンに在住しているお兄さんがいたため、お兄さんを頼りにできることはとても安心でした。

語学学校に通いながら大学入試のための書類準備をする中で、緑溢れるベルリンという環境にいると音楽よりも前から興味のあった「ガーデニング」への興味が強くなったと言います。

3月になって大学へ応募書類を送ったマナさんですが、合格発表までの2ヶ月間も本当に自分のしたい事はなんだろうと常に疑問を抱くようになりました。

そんな中、語学学校のテキストに出て来た言葉「Ausbildung」というドイツの教育制度を思い出し、「自分もガーデナーになるための勉強をしてみたい!」とアウスビルドゥング実習生を募集している企業をネット検索で探し出し20カ所以上かたっぱしから履歴書を送ったというから驚きです。一度決めたら目標にまっすぐなマナさんの姿勢にはただただ尊敬します。

履歴書を送った企業から返事がないこともありましたが、なんとかこぎつけたとある企業との面接でその場で合格し、晴れて9月からポツダムにあるガーデニングの企業で働く事になったのです。

 

ポインセチアと飾り

ドイツのクリスマスに欠かせない花、ポインセチア。マナさんの会社でも育てているそう。



このアウスビルドゥング制度の良いところは、ずばり「働きながら学べる」ということです。
マナさんの場合はフルタイムの労働者として2週間企業で実際に働いて、次の2週間は学生として学校で植物について学ぶというカリキュラムが3年間続きます。学費は無料、むしろ働いた分は、通常より少なめですが最低限の生活を営めるだけのお給料がもらえます

3年間も働きながら学校で学べば、卒業時にはその道の相当なプロフェッショナルになっていることは言うまでもありませんし、就職した瞬間に「即戦力」として働く事ができます。

同時に、ドイツで実際に就職するにはこのアウスビルドゥングを修了していないと、ドイツ人でさえ就職が難しいと言われています。

就活の時期が決まっていて新卒が重宝される日本では、大学を卒業したばかりの若者の就職がドイツと比べてそれほどシビアではないという利点がある一方、自分の思い描いていたビジョンと現実の差を会社に入ってから初めて知る事になり1~2年で辞めてしまう人々が多い事は問題になっています。

これでは会社側もせっかく育てた人材がやめてしまえば教育にかけたコストも無駄になってしまうし、若者にとっても機会損失になるでしょう。その点、アウスビルドゥングでは企業と学校がコラボする形で訓練期間中にこれらの問題を解決する事ができ、生徒は思う存分専門性を磨く事ができるのでとても効率的です。

マナさんはピアノの先生という職業から、日本にいた時は予想もしなかった「ガーデナー」として現地就職を目指す道を選びました。

こんな方向転換ができるのも、フレキシブルなワーホリだからこそ。今後マナさんはワーホリビザからアウスビルドゥングのためのビザに切り替えるそうです。

色々な可能性に満ちたワーホリという制度にもっと興味を持ってもらえたら嬉しいです。
ドイツ大使館のウェブサイトでは私の連載とは別に、「ドイツでワーホリする10の理由」という記事を10回に分けて掲載しています。興味のある方はこちらも参考にしてみてくださいね。

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wasabi

1991年7月1日生まれ東京出身。(本名:藤沢祐子)2014年獨協大学卒業後、新卒でフリーランスの日英翻訳家/ライターとして2015年春にベルリンに拠点を移して活動。現在は翻訳家・ライターとして各種メディアやブログを中心にドイツ移住情報やテクノロジーを使って楽しく生きる自身のノマドなライフスタイルやオピニオンを発信中。2016年2月にはTEDx Youth@Kobeへの登壇も果たし、自身のメッセージを国内外共に精力的に伝えている。

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