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マールブルク ー 大きなハートの町

©Uwe Zucchi dpa/lhe

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マールブルク ー 大きなハートの町

マールブルク市は、人口7万3000人のドイツでは中規模の町です。3400人の外国人学生を含め2万5000人が大学生で、あらゆる分野で大学の存在感が強い町です。大学は4000人の職員を擁し、市で最大の雇用を提供している組織でもあります。

©Krum, Ralph Michael/Deutsche Märchenstraße e.V.

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世界で、斜めに傾いた塔と言えばピサの斜塔しか思い浮かばない人も多いと思いますが、マールブルクにあるルター教会も細長い屋根が曲がった「斜塔」が目印です。

マールブルクには、古い木骨建築の家並みや細い路地、そしてたくさんの階段が特徴の旧市街があります。旧市街は、ラーン川の西岸から方伯城(マールブルク城)にいたる斜面に広がっており、高い部分にあることから「オーバーシュタット(アッパータウン)」と呼ばれています。ちなみに城の建築が始まったのは11世紀です。旧市街には、商店、バーやレストランだけでなく、学生寮もあります。

城よりもさらに有名なマールブルクの名所としては、地元で「E教会(エー・キルヒェ)」という愛称で親しまれている聖エリザベート教会が挙げられます。聖人エリザベートの墓所に建てられ、ライン川以東の地域では、最初の純粋なゴシック建築教会です。中央駅と旧市街の間という街の中心部に位置し、地元の 人々がよく待ち合わせ場所にしています。

マールブルクは童話で有名なあのグリム兄弟も大学に通いました。ドイツ・メルヘン街道がとおり、町の随所に噴水や銅像等メルヘンのモチーフを見つけることができます。



マールブルクは、カッセルとフランクフルト・アム・マインの間に位置し、交通の便が大変いい町です。学生であれば、いわゆる「セメスターチケット」がもらえるので、ヘッセンの近距離交通網圏内のあらゆる交通手段を利用でき、圏外でもヘッセン州内の各駅や、他州の州境付近にある複数の駅まで無料で移動することができます。州内やその周辺までの散策や遠出に大変便利で、国際的な雰囲気のフランクフルト、ハイデルベルクの美しい旧市街、ルターの町アイゼナッハ等を訪れるのに交通費がかかりません。町の周辺には、サイクリングやハイキングに適した場所がたくさんあります。ドイツ最大のフランクフルト空港が近いので空路での移動にもアクセスがよく、一度乗り換えが必要ですが、1時間半しかかりません。

マールブルクの生活費は比較的リーズナブルであると言えますが、学生数が多いので家賃が高くなりがちです。ただし外国人の学生は、寮の抽選で優先されることになっています。ドイツの週刊新聞「ツァイト」紙が行った調査では、マールブルクでの生活にかかる費用は平均月額748ユーロで、生活費が最も安い大学都市上位10位以内に入りました(調査対象は全部で41都市)。

©dpa/picture-alliance

マールブルク大学©dpa/picture-alliance



マールブルク大学(正式名称:マールブルク・フィリップス大学)は1527年にヘッセン方伯フィリップ一世が設立した大学で、プロテスタントの大学の中では最も古い大学です。総合大学として、工学以外はほとんどすべての学問領域がそろっています。大学施設は市内各所にありますが、そのほとんどが徒歩で行き来できる場所にあります。現在新しい図書館を建設中で、中央図書館と多数ある専門図書館とが統合される予定です。新図書館の開館予定は2017年で、学ぶ環境のさらなる充実が図られます。

マールブルク大学と欧州域外各国の大学との交流協定は合計68件にも及びます。日本では、獨協大学、北里大学医学部、大谷大学、立教大学、天理大学、東京外国語大学、東京大学等と協定を結んでいます。外国人留学生の出身国で一番多いのは中国で、トルコ、ロシアの順で続きます。2014年から2015年の冬学期に在籍していた日本人学生の総数は30名でした。

外国人留学生は全体の14%弱に過ぎず、ドイツ人の学生との交流も多くもてると思います。

またマールブルク大学では、英語でマスターの学位が取得可能な専攻課程の数を増やしており、「経済学と制度(M.Sc. Economics and Institutions)」、「中東の経済学(M.Sc. Economics of the Middle East)」、「言語学とインターネット技術(M.A. Linguistics and Web Technology)」、「北部アメリカ研究(M.A. North American Studies)」、「平和・紛争研究(M.A. Peace and Conflict Studies)」、「野外教育研究と異文化間比較(M.A. Transcultural European Outdoor Studies)」がこれに含まれます。バチェラー学位取得のための英語の専攻課程もあります(「英語学・英文学(B.A. Anglophone Studies)」)。

英語による専攻課程「平和・紛争研究」は、マールブルク大学と英国のケント大学が共同で運営しています。こうした形の国際的な共同運営による専攻過程はドイツで他に例がありません。2年間フルに英語で学びますが、1年目の最初の7ヶ月間はケント大学におけるプログラムで、引き続き大学外での国際研修が義務づけられています。研修先の選定は、いくつかの条件を除けば学生自身の選択にまかされています。2年目に入ると、マールブルクに移りマスター論文の執筆も行われます。必須科目だけでなく、選択科目の多くも英語ですが、他の専攻課程の科目でも選択できるもがあるので、ドイツ語を話す履修者は選択肢が広がります。外国人学生で、ECTS(ヨーロッパ単位システム)の単位をマスター課程の単位に加算できる場合は、ドイツ語講座を無料で受講することもできます。

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マールブルク大学への留学や同大学での学位取得に関心のある方のために、以下に関連ホームページ等を紹介します。

大学のホームページ(ドイツ語)のURLは、http://www.uni-marburg.de ですが、大学のInternational Officeでは英語の情報も多数揃えており、問い合わせ等にも対応しています。
http://www.uni-marburg.de/international-en/incoming

また共同運営専攻課程「平和・紛争研究」の情報は以下のURLを参考にしてください。
http://www.uni-marburg.de/konfliktforschung/studium/international-double-award

マールブルク市のホームページにも英語ページがあります。
http://www.marburg.de/en

ドイツの大学についての一般情報はドイツ学術交流機関(DAAD)のホームページに掲載されています。
http://tokyo.daad.de/wp/lang/ja/

さて、この記事のタイトルにある「大きなハート」について一言。マールブルクで、大切な人を喜ばせてあげたい...そんなとき、ある電話番号に電話を一本かけるだけで、マールブルクで一番高い塔「カイザー・ヴィルヘルム塔」(別名シュピーゲルスルスト塔)にかかった幅8メートルのハート形ネオンを暗がりに点灯させることができます。日中は塔の上から、城と旧市街をのぞむ美しい眺めが楽しめますよ。

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