ドイツ情報満載 - YOUNG GERMANY by ドイツ大使館

大震災後・・・

ⒸGerman Embassy Tokyo

大震災後・・・

先週、大使館でKriesenplanspiel(クリーゼンプランシュピール、危機想定訓練)、いわゆる防災訓練が行われたんだ。

職員さんはアトリウムに集合。
フォン・ヴェアテルン大使、そして総括のブッシュさん、ヘルツベルク公使の説明のあと、それぞれの担当に分かれて訓練開始。

会議室には問い合わせ用の電話とコンピュータがセットされ、アトリウムでは負傷者用に簡易ベッドの設営。

プレス担当は情報収集。
フォン・リムシャ公使の適格な役割分担に否が応でも緊張感が走る・・・

今回は東京の北20キロで大地震が起きた想定。
状況を伝える役のゾンマーさんから被害情報が告げられると、それを時系列に記録、地図に被害状況を記していく。

新幹線がトンネルの中で停車・・・
ドイツ人に死傷者が・・・
塩素系の工場が爆発・・・

モチロンはじめは停電し、電話も繋がらない設定・・・

15分毎にフォン・リムシャ公使を中心にミーティングを繰り返し、その内に他の担当からも徐々に情報が。

逆にドイツのメディアからは情報が無いと苦情の電話まで・・・(という設定)

本番さながら!

今回の訓練ではうまくいったことよりも反省点が出たことの方が収穫だったみたい。

本当は訓練が役に立たない方がいいんだけど・・・



ⒸGerman Embassy Tokyo

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そして今日は早稲田大学法学部の星井教授と学生さんが大使館を訪問。

みなさんはゼミで、東日本大震災と福島の原発事故についてドイツでどのような報道がされ、どのような反応があったかというテーマで『Die Zeit』や『Der Spiegel』など新聞や雑誌の記事をもとに考察。その一環として大使館でドイツのエネルギー政策について話を聞きにきたんだ。

広報部のボーネンさん、政務部のヘアマンさん、通訳の石川さん、そして同じくドイツで法学を学び司法修習生として大使館で研修してるデリングさんがみなさんをお迎え。
おいしいドイツパンを体験しながら話を進めたんだ♪

ⒸGerman Embassy Tokyo

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ボーネンさんからは震災後のドイツの報道について興味深い説明が。
たとえばある新聞では、同じ日の同じ紙面の記事でも、日本に駐在する特派員と本国の編集者とでは、震災の影響について解釈に違いがあったということ。
メディアは、ある出来事について報道するとき、情報の受け手が経験していること、知っていることに関連づけて伝えようとする。今回決め手となった経験は、チェルノブイリ原発事故だった。
1986年に同じ大陸で起きた事故は、今でもその影響が残っているんだ。

みなさんからは日本の原発再稼動についてや、チェルノブイリ原発事故を知らない若い世代への教育について、原発停止後の原発で働いていた人たちの職について、脱原発政策に対する経済界からの反発について、そして原発で作られた電力の輸入に対する国民の反発についてなど興味深い質問が次々。


Krisenplanspielと同じ様に、大震災を通してひとりひとりが意識して知識や経験を積み、お互いに共有して活かすことができるといいですニャ=^_^=
ⒸGerman Embassy Tokyo

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(26. November 2014)





2010年5月にはじめたこのブログ。2014年6月に新しいシステムに移行するまでの1247の記事は「ドイツ大使館ネコのきまぐれブログ・アーカイブ」でどうぞ♪=^_^=
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