気持ちを植える
先週の土曜日、宮城県岩沼市の「第2回千年希望の丘植樹祭」に行ってきたニャ=^_^=
時間に余裕を持って出発して、途中渋滞も無くスムーズに会場に到着。植樹祭まで時間があったので会場付近をちょっとお散歩。
ここ岩沼市の沿岸部は東日本大震災の津波の被害で壊滅的なダメージを受け、今は空き地が広がるこの辺りには当時109世帯の集落があったんだ。駐車場を営む男性にお話を伺うと、この駐車場の隣にある建物の3階付近にまで津波が押し寄せて、空港も相当なダメージを受けたとのこと・・・
そう、すぐ隣には仙台空港があるんだ。
空港内に展示してある当時の様子を記録した写真に思わず絶句。
スタイリッシュでモダンな建物からは、当時の被害は想像できない・・・
屋上展望デッキから植樹会場を望む。
大震災から3年、全てを葬り去った津波の跡には幸福の象徴「クローバー」が群生して、その中に家が1軒残っているのが目に入る。
2階建ての日本家屋は、1階部分が津波の被害を受け立派な柱だけが目立ち、2階部分が「取り残された」感じ。持ち主の方が東日本大震災を後世に伝えるためにこの場所を「震災遺構」として残してるんだって。
震災後、東北新幹線が動く前日に車で仙台に向かった時に、仙台東部道路を挟んで海側の地域が全て泥色に染まっていた光景を思い出したニャ・・・
この「千年希望の丘」は英語で「Millennium Hope Hills」。岩沼市が東日本大震災の記憶を未来へ引き継いでいく象徴なんだ。
では、なぜ「丘」なのか?
それはいざという時に津波から命を守る避難場所として。震災当時、この辺りには約8メートルの津波が押し寄せたんだけど、高さ約10メートルの丘に3名の方が避難して助かったんだ。
そして小高い丘を配することで津波の力を弱める効果も!
そしてそこに木を植える。
その木が大きくなって森となり、より津波の力を弱め、また「引き波」で沖にさらわれる家や車を食い止める効果も期待されるんだ。
この千年希望の丘の植樹は特徴的で、植える木の種類が豊富。
それは家具や家屋の建築資材用などに単一種類の木を植えて作られる「人造の森」は自然災害に弱いそうで、その土地にあった多くの種類が混在した「強い森」を作るため。「植樹の神様」こと横浜国立大学の宮脇昭さんが長年の研究から提唱されている「宮脇方式」を取り入れているんだ。
そしてこの丘にはもうひとつ特徴が。
それはこの丘に瓦礫(がれき)が使われていること。
瓦礫を活用することで「大震災を伝える丘」として後世まで想いを伝えるだけでなく、瓦礫と土壌の間に空気の層ができて木の根がより深く地中に入り、根が瓦礫を抱くことで木が安定する・・・一石三鳥ですニャ=^_^=
今年で2回目のこの「千年希望の丘植樹祭」には、昨年の4500人を上回る約7000人が参加。7万本の苗木を植えたんだ。
ドイツ大使館からは10名と1匹が参加。みんな辿り着けるか心配だったけど定刻通り到着♪
植樹祭は黙祷から。
式典終了後それぞれのグループに分かれて植樹開始。
割り当てられた区画に穴を掘って苗木を植えるんだけど、石が混ざっていたりしてなかなか思う様に穴が掘れない・・・
無理せず水分補給しながら作業を進め、植え終わったらワラを敷いて作業完了。
会場には台湾のゆるキャラや、ご当地ヒーロー(?)、そして伊達政宗公まで♪
また、この「千年希望の丘」にも参画している「瓦礫を活かす森の長城プロジェクト」理事長で元首相の細川さんともお会いし、日本テレビ「NEWS ZERO」からは取材も。
「植樹の神様」にごあいさつすると「神様」は流暢なドイツ語でヘルツベルクさんやゾンマーさんと会話。それもそのはず宮脇さんは大学卒業後に当時の西ドイツに渡り西ドイツ国立植生図研究所で研究員をしていらしたんだって。
宮脇さんはドイツ語のウィキペディアでも紹介されてますニャ♪ ⇒ http://de.wikipedia.org/wiki/Akira_Miyawaki
今年一番の暑さで真夏日となった炎天下の中、会場への誘導をしてくれてた多くのボランティアみなさん、そしてこの植樹の為に事前準備をされたボランティアのみなさんに、同じボランティアとして深く感謝。
千年後にこの丘の森を見ることはできないけど、この「きっかけ」が生きている間に語り継がれ、だれかがその「縁」をつないでくれたらうれし〜かも♪
そして想いを込めて植えた苗木が立派な森の一部に育ちますように=^_^=
(02. Juni 2014)