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ハーフだと不便なことPart1

ハーフだと不便なことPart1

ハーフだと不便なことPart1

普通に生活していく中でハーフは色々と不便なことがあったりする。普段は自分がハーフであることや自分の容姿が外国人風であることを忘れていても、ふとしたことで、やっぱり自分は周りの人とは違うんだな、と気付かされる。今回は日常生活の中のそういった『事件』にスポットをあてていきたい。



ハーフだと不便なこと: その 1

~区役所にて~



東京都内のある区役所へ行った時のこと。印鑑証明書が必要で区役所へ行ったのだけれど、簡単なことがややこしくなってしまった。それは印鑑証明のカウンターで以下のようなやりとりがあったから。



私 (印鑑とパスポートをさりげなくカウンターに載せながら):「印鑑証明書を発行して頂きたいのですが、手続きを教えて頂けますか」



職員:「外国人登録証の手続きはアチラですよ」(と言いながら違うカウンターを指差す)



私:「いえ、外国人登録証ではなくてですね、印鑑証明の件でお伺いしたいんですが。あと、これ日本のパスポートなんですけど…」



職員:「は ?! 帰化された方ですか ?」



私:「いえいえ、元々最初から普通に日本人なんですけど…」



私は顔が外国人風のため、職員は私の『元々最初から普通に日本人』発言にかなり混乱 & 困惑した模様。



職員:「はぁ」




私も「はぁ~」と心の中でため息をついたのだが、その時タイミングよく奥から別の職員が出てきて「どうされました ?」と聞いてくれた。そこで「印鑑証明書がですね、必要なんですけど、今までやった事がないので、どういった手続きが必要なのかを教えていただけますでしょうか」ともう一度説明し、そこでようやく職員に「はい、印鑑証明書ですね」と理解してもらえた。



外国人風の顔をして印鑑証明書の手続きをする人はあまりいないから、混乱したのかもしれないけれど、今後、印鑑証明書が必要になる外国人顔の人も増えることが予想されるし、そこは区役所も対応に慣れてくれることを祈るばかりだ。



それにしても、こんな簡単なことがこんなに「ややこしく」なるなんて。こういう時「ハーフは大変だぁ…」とタメ息が出るのです。




ハーフだと不便なこと: その 2

~こちらの保険証はご本人様のものでしょうか~



私は出先でインターネットカフェを利用することがある。2010年の夏からは東京都内ではネットカフェ規制条例のため、入店の際に身分証明書を見せなくてはならなくなった。ところが店員さんに身分証明書である保険証を差し出したら、「…?! こちらご本人様ですか ?」ときた。少しカチンと来て「本人です !」とふてくされ気味に答える。



これはどういうことかというと、保険証には「渡○○美」という私の日本名が記載されているのだけれど、このバリバリな日本名と私の外国人風の容姿がマッチしないため、保険証を見た人に「この人、怪しい」と思われやすいらしい。店員さんの表情から「はあ ? このガイジン顔で渡○○美 ? 本当 ??」と不審に思っている様子がうかがえた。



店員さんに悪気がないのは分かるけど「私も何も悪いことしてないのに、なんなのよ、これは ?」って気持ちになっちゃいます。保険証に顔写真が載っていればいいのに、そうしたら誤解されずに済むのにな、って思います。ちなみに車の運転免許は持っていないため、身分証明書として運転免許証は出せないのです…




ハーフだと不便なこと: その 3

~田舎のファーストフード店にて~



私の経験上、地方のファーストフード店で注文をすると、間違ったものが出てくることが多い。これは決してハーフの日本語能力に問題があるわけではなく、そして店員さんが難聴なわけでもなく、単に店員さんが「外国人の顔を見たら、驚きのあまり頭が真っ白になってしまった」ことが原因である場合が多い。



外国人風の顔のお客さんを見て「英語で話さなくてはいけないのかしら…?」と店員さんが軽くパニックになり、そのため外国人顔の口から日本語が出てきても、店員さんには英語に聞こえてしまったりする。その結果、完全に混乱状態。ファーストフード店でハンバーガーを注文してもポテトが出てきたり、コーラを注文したのにオレンジジュースが出てきたり、と注文したものとは全く違うものが出てくることがよくある。



不思議な現象なのだが、ここは怒るのもかわいそうなので、店員さんに 1日も早く「日本語を話すガイジン顔のお客さん」に慣れてもらえればと思う。



以上、今回の「ハーフだと不便なこと」BEST 3でした。




サンドラ・ヘフェリン



ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴 13年、著書に「浪費が止まるドイツ節約生活の楽しみ」(光文社) など 5冊。自らが日独ハーフであることから「ハーフ」について詳しい。ちなみにハーフに関する連載は月刊誌に続き今回が 2回目である。趣味は執筆と散歩。目黒川沿いや碑文谷をよく散歩している。

サンドラ・ヘフェリン

ドイツ・ミュンヘン出身。日本歴19年、著書に「ハーフが美人なんて妄想ですから!!」(中公新書ラクレ) 、「ニッポン在住ハーフな私の切実で笑える100のモンダイ』(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: ヒラマツオ/KADOKAWA)、「『小顔』ってニホンではホメ言葉なんだ!?~ドイツ人が驚く日本の「日常」~」(原作: サンドラ・ヘフェリン、漫画: 流水りんこ/KKベストセラーズ)」など計11冊。自身が日独ハーフであることから、≪ハーフはナニジン?≫、≪ハーフとバイリンガル教育≫、≪ハーフと日本のいじめ問題≫など「多文化共生」をテーマに執筆活動をしている。ホームページ 「ハーフを考えよう!」 を運営。趣味は時事トピックについてディベートすること、カラオケ、散歩。

サンドラ・ヘフェリン